毎日コツコツ続けて、仕事をためない人になる方法

レビュー

4
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仕事の渋滞は「心理学」で解決できる

『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』

著者
佐々木 正悟 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784046021045
発売日
2017/12/22
価格
1,404円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

毎日コツコツ続けて、仕事をためない人になる方法

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』(佐々木正悟著、KADOKAWA)の著者は、「ハック」ブームの仕掛け人のひとりだという心理学ジャーナリスト。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求しているのだそうです。

そして本書は、「溜まった仕事」を一掃し、「仕事の状態」を解消、そして「仕事をためない人」になるためのサポートをするために書かれたものなのだといいます。ちなみに著者によれば、「仕事をためてしまう人」と「ためない人」との間には次のような差がついてしまうのだとか。

・仕事をためてしまう人は、気持ちが負のスパイラルに落ち込む

・仕事をためてしまう人は、セルフイメージが低下する

・仕事をためない人は、毎日スッキリ会社に行ける

・仕事をためない人は、未来の展望が描ける

・仕事をためない人は、心が軽くなる

(「はじめに」より)

しかし、これは「仕事をためてしまう人」が劣っているということではなく、心理学的なアプローチによってすべて解消できるのだといいます。

そのような考え方の本書から、第4章「挫折せずにこつこつ毎日続けるコツ」に焦点を当ててみることにしましょう。

やっぱり「毎日やる」ほうが圧倒的に楽

仕事をためないためになにより必要なのは、基本的なルーティンタスクを毎日繰り返すこと。1週間おき、1ヵ月おきにやればいいと思うようなことも、とにかく毎日繰り返すべきだという考え方です。

たとえば、メールの受信トレイのチェックや処理は毎日すべき。郵便物の処理にしても経費清算にしても、「5日ぶんをためて金曜日にやる」という手段を避け、可能な限り、ありとあらゆることを「毎日やる」ことが大事だというわけです。

「それは、いまはいいから」「あとでまとめてやるから」と考える人も決して少なくないはずですが、「あとでまとめてやると、仕事が1つに減るという幻想が生まれる」のだと著者はいいます。

そもそも「あとでまとめる」ということは多くの場合、仕事を増やすことになるもの。なぜなら、もともと不要だった「仕分ける」「整理する」「記憶を掘り起こす」といった仕事が、増えてしまうことになるから。

そんなことはたいしたことではないという意見もあるかもしれませんが、増えることはあっても、減ることはないと著者は指摘します。

たしかに、私は「税務処理」をほぼ1年に「365回」やっています。一方、まとめて1日でやる人は「年に1回」で済ませられてはいます。その意味で、回数においては1日で済ませている人は私より364回減らすことに成功してはいますが、時間は確実に私のほうが短いでしょう。(111ページより)

365回の作業を1分ずつやるとしたら、全部で6時間あれば済むことになります。しかし、そのすべてを年に一度、まとめてやろうとしたら、丸1日がかりでも終わらない作業になってしまうということ。(108ページより)

「毎日やる」のではなく、「同じ時間にやる」

でも現実問題として、「毎日やる」のはとても難しいことでもあります。理由は、「それをする時間」をとることができなくなる日が、いつか必ずやってくるから。たとえば夜に日記を書くと決めたとしても、夕方からずっと飲み会で、帰宅したときには酔いつぶれそうだったとしたら、その状態で日記を書くことは難しくなります。

著者も経験上、毎日まったく同じことに携われる時間を見つけるのは、不可能に近いくら無理のあることだと考えているそうです。

とはいえ、「毎日でなくともいい」と考えてしまうと、最初は週に5日のはずだったものいつしか週3日になり、やがて気がつくとゼロになっていたりするもの。だからこそ、「毎日やろう」も「週に3〜4日やろう」もよくないのだというのです。

大切なのは、「毎日、10時から12時の間にやる」など、毎日できる時間帯にやること。毎日1プロジェクトだけなら、無理なく続けられるということです。(113ページより)

週に一度の「タスク」は細心の注意を

逆に難しいのが、週に一度だけ実行する必要のある「繰り返しのタスク」。簡単な話で、それらはたまりやすいからです。毎日やる仕事は、毎日できなかったとしても挽回できるチャンスがあるもの。しかし週に一度しか実行機会がない仕事をやり逃してしまうと、翌週の同じ時間まで待たなければならなくなります。

毎週水曜日のペットボトル回収日を逃すと、翌週まで待たなければならなくなるのと同じ。これこそが、仕事がたまる法則だというのです。

しかし、こうして仕事がたまることを防ぐためにいいのが、「毎週一度しかやらないことは、かならず午前中に予定する(月曜日の午前中がベスト)」ようにすることなのだとか。なぜなら午前中にやろうとしていれば、仮に午前中にやりそこなったとしても、午後または夜に実行しなおすことができるから。

週に一度やることを午前中に決めたら、次にやるべきは、実行の前日に、当日になってそれが実行できるかどうかを検討することです。毎週水曜の朝にやることになっていたら、火曜の夜には、水曜朝に週一タスクを実行できるかどうかを考えるのです。

最後に、もしそれができそうもないなら、水曜日にできるかどうかもそのタイミングで検討します。つまり、週一タスクを「実行できるかどうか」について、毎週前日には検討する、無理そうならその翌日にやれないかを検討するという「タスク」をあらかじめ用意しておくのです(ゆえに週に一度のことは、週の前半、特に月曜日の午前に予定するのがベストです)。(121ページより)

こうまでしても、週に一度のタスクを予定どおり確実に実行するのは現実的に困難。しかし、これは確実に実行すべきだと著者は強調しています。2週ぶんためてしまうと、ずっと続いていたことですら急に破綻しかねないから。(118ページより)

まとめるといいのは計画作成

先に触れた「回収日に出し損ねたペットボトル」と同じように、仕事もやり損ねるとどんどんたまっていってしまうもの。そのためルーティン化されている作業は、確実に毎日、毎週、毎月こなすようにしていかなければいけないわけです。が、その一方、1度や2度スキップしたとしても、たまることがない作業もあるでしょう。

つまり仕事には、2回ぶんをためてしまったら2倍以上の時間がかかる仕事と、そうはならない仕事があるということです。そのため、ためてしまったら長い時間を要する仕事ほど、毎日やるようにする必要があるというわけです。

一般的な尺度で考えるなら、メールチェック、郵便物の処理、経費計算などは、可能な限り毎日やるべき。これらの仕事はためたぶんだけ確実にたまり、しかもためるほど処理に余計な時間がかるからだといいます。

その一方、ミーティングなどは、なるべく定例でやらないほうが時間の節約になるのだそうです。どうしても定例でなければならないのなら、その頻度を少なめにするほうが、事案節約のためには効果的。

よほど効率的なミーティングを心がけていない限り、ミーティングを1回ためてしまって2回ぶんをまとめたからといって、2倍の時間を要することはあまりないというのがその理由。ほとんどのミーティングが、回数を減らしても2倍、3倍、4倍の時間が必要にはならないということ。

だとすれば、時間節約の観点からいえば、まとめられるだけまとめてしまったほうが、より大きな効果を期待できるというわけです。

一般論として、まとめてしまうと時間がかかることをまとめてしまってはいけないのです。これは何度も言いたくなるくらい、無視されている法則です。会議の記録などは特にそうです。思い出す時間がムダになるので、後でまとめてやるのに向きません。

一方、ミーティングとならんで、そこそこ「まとめて」しまったほうがいいのが「計画」です。計画は、作り直すことはもちろん必要なのですが、毎日毎日マメに作るよりは、まとめてきちんと作ることに意味があります。

つまり、まとまった時間ができたら、可能な限りそれを計画作成にあて、作業時間にするべきではないのです。作業時間は、まとめて取るよりも、やはりマメに細々取ったほうが現実的です。(127ページより)

計画作成をすれば作業が進むというわけではないので、そのために時間を取ることは少ないかもしれません。しかし計画は、3ヵ月とか半年など、ある程度の期間の「時間の使い方」を左右するものでもあります。それによって時間がムダになったり、あるいは有効活用できたりすることも考えられるので、時間をかけるに値するということです。(123ページより)

各項目がシンプルにまとめられているので、読みやすさは文句なし。本書を活用すれば、ストレスを感じることなく、仕事の渋滞を解消できるかもしれません。

Photo: 印南敦史

メディアジーン lifehacker
2018年2月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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