『オッペケペー節と明治』 永嶺重敏著

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オッペケペー節と明治

『オッペケペー節と明治』

著者
永嶺 重敏 [著]
出版社
文藝春秋
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784166611553
発売日
2018/01/19
価格
950円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『オッペケペー節と明治』 永嶺重敏著

[レビュアー] 戌井昭人(作家)

 いつの時代も、どうにもならない世間や政治に不満をいだき、さまざまな表現方法で、物申す人たちがいる。歌もそのひとつだ。六〇年代のフォークはプロテストソングと呼ばれ、その後もロックやパンクなどが世間に対する不平や不満を唄(うた)ってきた。黒人文化のヒップホップから発祥したラップミュージックもそのひとつで、彼らは言葉を武器にした。そして世界各国で共鳴、発展をし、現在の日本にも根付いている。

 だが、かつての日本にもラップのように、言葉を武器にした表現方法があった。それがオッペケペー節だ。はじまりは関西の落語界からで、川上音二郎がひろめた。

 川上音二郎は壮士と呼ばれ、世の中に不満をいだき、血気盛んに暴れまわっていた若者で、閉塞(へいそく)した世間に向かって「オッペケペー」とユーモアを交えながら唄い、人々に支持される。唄の力とユーモアで、何かを変えることができるのではないかと信じたくなる。その後、川上音二郎がつくった壮士劇は、新派となり、現代の日本演劇の礎を築く。明治の男の行動力に感服するばかりだ。

 文春新書 880円

読売新聞
2018年2月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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