大倉眞一郎×杏  思わず読んでみたくなる本ばかり!〈『BOOK BAR お好みの本、あります。』刊行記念対談〉

対談・鼎談

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BOOK BAR

『BOOK BAR』

著者
[著]/大倉 眞一郎 [著]
出版社
新潮社
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784103516316
発売日
2018/02/27
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

思わず読んでみたくなる本ばかり!

[文] 新潮社

本を愛する女優と旅人という、異色のタッグが送る「BOOK BAR」。
人気ラジオ番組が10年を迎え、満を持して書籍化した。
ナビゲーターの二人が本には入らなかった裏話を語り尽くす!


初顔合わせから10年

杏 2008年4月5日に「本から始まる四方山話」、BOOK BARはスタートしました。

大倉 だから10年。

杏 私、今31歳ですから、当時21歳でした。まだお芝居もほとんどやってなくて、ザ・モデルだったんですよね。海外のコレクションにも行っていたと思います。

大倉 僕は50になっていました。50歳と21歳のコンビ。よくこんなもん組ませたと思いますよ。

杏 BOOK BARの最初の企画書に、「怒れるオヤジ&モデル」とあって(笑)。

大倉 その組み合わせで、どうするつもりだったんだろう。

杏 でも、J-WAVEへ初めての打ち合わせに行ったら、大倉さんは海外放浪中で連絡が取れなくて、いないと言われてしまって。

大倉 その会議をやる頃、ラオスの奥地に行っていて、参加しようにも、全然ネットがつながらなかったんですよ。

杏 十年一昔と言いますけど、やっぱりネット環境も今と全然違いますからね。

大倉 ラオスにも一応ネットカフェはあったんですが、いつ行っても停電なの。だから何が起こってるのか、さっぱりわかんないままで帰ってきたんです。

杏 そうして、そんなラオス帰りの大倉さんにお会いしたら、顔は真っ黒、目はぎらぎらで。

大倉 歯だけ白いおじさん。

杏 だからちょっと怖かったです。企画書には「怒れるオヤジ」と書いてあったし、初回はおびえてたんじゃないかな(笑)。

BOOK BARで紹介する本


大倉眞一郎

杏 毎回本を選ぶのは大倉さんと私でほとんど同時です。「大倉さんがこれを持ってきたから、私これにします」ではなく、「僕は明日これ」「私はこれ」みたいな感じで。

大倉 相手の出方を見るようなことはしていないんです。

杏 でも、それぞれ紹介した本は、実はお互い読んでいません。

大倉 杏ちゃんがすごくいい紹介をしていたから、俺も読んでみようという思いはお互いにあるんだよね。

杏 そう、あるんですけど……。

大倉 週1冊本を紹介するって、意外に大変でして。

杏 そうなんです。もちろん楽しいんですが、さらに相手の紹介した本も読む余裕がないですね。

大倉 そうなんですよ。自分が読んだ本を全部紹介するわけではないし、そうなるとちょっと他の本まで読むのはなかなか難しい。

杏 あとは、買っていたのに先に紹介されたときなども、悔しくてそのあとは読めません(笑)。

大倉 お互い何度かあるんですよね。やられちまったぜーと。

杏 はい。読もうと思ってたのに!という。

大倉 宿題やろうと思ってたのにーみたいな感じにちょっと近いです。

杏 じゃあもっと、違う本を探してやる~!となります。だから、私たちよりリスナーの方のほうが、BOOK BARで紹介した本を読んでくださっているかもしれないですね。

大倉 読んでくださっている方は多いと思いますよ。あと、リスナーの方からいただくメールで、「杏ちゃんの紹介した本がとても読みたくなりました」とあって、同じ週に紹介しているのにもかかわらず、私の紹介した本には、一切触れられていないという場合も結構あります。

杏 逆もしかりですよね。

大倉 あれは励みになったり、逆にくっそーみたいに思うこともありますね。

杏 燃えますよね。メールは本当にうれしい。

大倉 特に紹介した本を読んでくださって、その感想まで添えてくれると、皆さんが思ってるよりも、ずっとうれしいんですよ。これからもじゃんじゃん送っていただけたら!

杏 リスナーの方からのメールはちゃんと全部読ませていただいています。「大倉さん、これこんなことが書いてありますよ」というクロストークも裏でやっていたりします。

新潮社 波
2018年3月号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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