【聞きたい。】八板康麿さん 『写真で見る 星と伝説』

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写真で見る 星と伝説 春と夏の星

『写真で見る 星と伝説 春と夏の星』

著者
野尻抱影 [著]/八板康麿 [写真]/てづかあけみ [イラスト]
出版社
偕成社
ジャンル
自然科学/天文・地学
ISBN
9784035090601
発売日
2018/02/27
価格
1,728円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

写真で見る 星と伝説 秋と冬の星

『写真で見る 星と伝説 秋と冬の星』

著者
野尻抱影 [著]/八板康麿 [写真]/てづかあけみ [イラスト]
出版社
偕成社
ジャンル
自然科学/天文・地学
ISBN
9784035090502
発売日
2017/09/12
価格
1,728円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

【聞きたい。】八板康麿さん 『写真で見る 星と伝説』

[レビュアー] 永井優子


八板康麿さん

 ■感激を次の世代に残したい

 冥王星の和名をつけたことでも知られ、星について数多くの著作を残した天文随筆家の野尻抱影(ほうえい)(1885~1977年)。小中学生向けに、ギリシャや中国、日本など世界の諸民族に伝わる星座に関する神話や伝説を紹介した『星と伝説』(偕成社)は、昭和36年初版のロングセラーだ。

 本書は抱影の文章に、新たに天体写真を加え、イラストも一新して昨年9月刊の「秋と冬の星」と、今月刊の「春と夏の星」にまとめたもの。

 写真を担当した八板さんは、「野尻さんの文章と一緒に何かできないかなというのが、小さいときからの夢だった」と話す。

 小学5年だった44年7月、人類が初めて月に降り立ったアポロ11号の宇宙中継を見て、宇宙に興味を持った。東京・渋谷にあった五島プラネタリウムに毎月通い、売店で『星と伝説』を買ってボロボロになるまで読んだ。

 「国や地域によって、こんなに違う星座神話が作れるんだと不思議に思った」

 小さな望遠鏡を買ってもらい、月面に無数にあるクレーターを見て、この世界を誰かに伝える方法はないかと思って、天文写真を撮り始めた。

 今回目指したのは、ほっとするような暖かみのある写真。ピントをぼかして星の色を出す、ソフトフィルターと画像処理で立体感を出すなど、一枚一枚に技を凝らしている。春の富士山の上をめぐるさそり座の見事な光跡など、実際に行ってみたいと思わされる。

 1話ごとに星座の見つけ方や、その中の星の見どころも、写真と図解で八板さんが丁寧に解説した。「自分が子供の頃にこの本に出合った感激を、次の世代に残せれば」という。

 ゲームに没頭してばかりでは、何ごとも感激が薄くなってしまう。「作った絵ではなく、たまには星を見上げ、自分の目で本物を見てほしい」(野尻抱影文/偕成社・1600円+税)

 永井優子

   ◇

【プロフィル】八板康麿

 やいた・やすまろ 昭和33年、東京生まれ。日大芸術学部写真学科卒業後、出版社勤務を経て、写真家に。『スプーンぼしとおっぱいぼし』『オーロラ』『星と宇宙のふしぎ109』など著書多数。

産経新聞
2018年3月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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