『世界一やさしい右脳型問題解決の授業』
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自分の力で考え抜く!「問題解決」の必読入門
[レビュアー] 田中大輔(某社書店営業)
1月に『世界一やさしい右脳型問題解決の授業』が発売されたことをきっかけに、その第1弾にあたる『世界一やさしい問題解決の授業』があらためて売れている。新刊が“右脳”を生かしてクリエイティブに問題を解決する手法を紹介しているのに対し、第1弾はロジカルシンキングなど“左脳”を生かして問題を解決する手法を紹介している。
こちらが発売されたのは2007年6月末。私がまだ丸の内の書店で働いていたときのことだ。発売時に刊行記念のイベントを開催した記憶がある。当初からこの本はよく売れていた。そこから11年間、この本はずっと平積みまたは面展開で売り続けていたはずだ。そうして現在では47万部を突破し、さらに25か国15言語に翻訳されているという。
「問題解決」とは平たく言えば「現状を正確に理解し」「問題の原因を見極め」「効果的な打ち手まで考え抜き」「実行する」ことである。これを知りたいと思ったとき、最初に読んでほしいのがまずはこの第1弾の方だ。
中高生にもわかるよう、最低限必要なものに絞って紹介している。原因を見極めるために必要な「分解の木」(ロジックツリー)や、原因を調べ、話の道筋を整理する「仮説の木」(仮説思考)、何を調べる必要があるかを明確にする「課題分析シート」など、問題解決の基本的なプロセスをわかりやすく紹介している。まさに入門書としてオススメだ。
問題解決の定番書には『新版 問題解決プロフェッショナル』(齋藤嘉則著・ダイヤモンド社)や、『問題解決』(高田貴久、岩澤智之著・英治出版)、『仮説思考』(内田和成著・東洋経済新報社)などがある。今回紹介した2冊を読んで、さらに問題解決のことを詳しく知りたくなったときにはこれらを読むといいだろう。
途方に暮れそうな大きな問題でも、小さな問題に分解し、一つずつ解いていくことで、大概の問題は解決できるだろう。その方法を学び、自分の力で考え抜き、行動をする癖を身に着けることで、自ら責任が持てる人生、後悔しない人生を送ることができるはずだ。