純文学系の色川、麻雀小説など無頼系の阿佐田と2つの名、顔を持つ著者。破天荒な人生を昇華させたエッセーの数々を編んだ文庫オリジナル。
16歳での敗戦から約10年の世相スケッチ「時代」、真骨頂の体験と極意に満ちた「博打」、意外な読書歴や夫婦関係まで明かす「文学」、文化論、人物論に引き込まれる「芸能」、そして藤原審爾、川上宗薫、武田百合子ら、著者同様、癖のある面々との「交遊」など7テーマ。
冷ややかな視線の一方、人間味あふれるエピソードも多く、味わい深い世界にどっぷり浸れる。(ちくま文庫・950円+税)
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2018年4月1日 掲載
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