『検証 検察庁の近現代史』倉山満著

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

検証 検察庁の近現代史

『検証 検察庁の近現代史』

著者
倉山満 [著]
出版社
光文社
ISBN
9784334043414
発売日
2018/03/15
価格
1,013円(税込)

書籍情報:openBD

『検証 検察庁の近現代史』倉山満著

[レビュアー] 産経新聞社

 日本の真の司法権は、裁判所にではなく検察庁にある-と、著者は説く。検察が起訴すれば有罪率は99.9%。被告人にほぼ勝ち目はない。では検察は、いかにして権力を強大化させてきたのか、それを明らかにしたのが本書だ。

 明治期の藩閥体制では“傍流”だった検察組織が、学閥の台頭とともに勢力を持ち、政治と結びつきながら影響力を増大させていく過程が、歴史的事件とともにリアルに描かれている。検察の近現代史は、日本の近現代史そのものだといっても過言ではないだろう。

 若手の憲政史家として注目を集める著者の、渾身(こんしん)の一冊である。(光文社新書・920円+税)

産経新聞
2018年4月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク