『赤ちゃん本部長(1)』 竹内佐千子著

レビュー

3
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赤ちゃん本部長(1)

『赤ちゃん本部長(1)』

著者
竹内 佐千子 [著]
出版社
講談社
ジャンル
芸術・生活/コミックス・劇画
ISBN
9784065111093
発売日
2018/03/23
価格
756円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『赤ちゃん本部長(1)』 竹内佐千子著

[レビュアー] 一青窈(歌手)

 先日、マタニティ&ベビーフェスタで歌う機会に恵まれた。そこでは赤ちゃんの重さのベルトを装着して妊婦体験をしているパパ予備軍や、ママの代わりに企業ブースの長蛇の列に並んでいる新米パパさんの顔があった。彼らのような育メンはもちろんだが、私はむしろ真逆のパパたちにこの漫画を薦めたい。

 朝起きたら、会社の本部長が赤ちゃんになっていたという設定である。ベビーカーよりも抱っこをせがみ、離乳食よりもカップラーメンを求め、思うようにならぬ現実にも直面する。とにかく周りの助けを借りなくてはどうにもならないのだ。世の中が核家族化し、ご近所や横のつながりが希薄になった今、子育て世代の為(ため)に社会のシステムの方がむしろ変わらなくてはならないというのが赤ちゃん目線でとても面白くよく解(わか)る。

 おむつを替えた事がほとんど無いどころか、電車で赤ちゃんが泣けば怪訝(けげん)に顔をしかめ、会社から帰宅して泣いてる我が子をよそに、嫁に「お茶」と催促するようなキャリアなおじさまにこそ読んで欲しい。かつての私も誰も彼も、遠い昔は赤ちゃんだったのだ。

 講談社 700円

読売新聞
2018年4月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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