『鯉のぼり図鑑』 日本鯉のぼり協会編

レビュー

3
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

鯉のぼり図鑑

『鯉のぼり図鑑』

著者
日本鯉のぼり協会 [編集]/林 直輝 [著]
出版社
小学館
ジャンル
芸術・生活/写真・工芸
ISBN
9784096822555
発売日
2018/02/14
価格
1,620円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『鯉のぼり図鑑』 日本鯉のぼり協会編

[レビュアー] 宮部みゆき(作家)

 鯉(こい)のぼりの事始めは江戸時代中期。男の子の健やかな成長を祈って立てる幟(のぼり)に「鯉の滝登り」の絵柄を描いたものがルーツだ。

 本書ではまず近世から現代まで続く鯉のぼりの歴史を概観し、「手描き」「本染め」「手捺染(てなっせん)」によるその制作過程を解説。鯉のぼりは今も多くの部分が職人さんの手による繊細な工芸品なのだ。玩具ではなく縁起物なので、伊勢神宮などの寺社で授与品とされているものもある。豊富に掲載されている画像は、文化遺産的な風格漂うものからポップなデザイン化の進んだものまで、多種多様な鯉のぼりの大行進だ。背中に金太郎を乗せていたり、広告がついていたり、広島カープの球団グッズ(納得!)=写真上=もある。岡本太郎デザインの「太郎鯉」=同下=は奇抜で楽しい。来たる東京オリンピックの年には、五輪マーク入りの鯉のぼりの登場が期待できるかなあ。

 小学館 1500円

読売新聞
2018年4月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

  • このエントリーをはてなブックマークに追加