【児童書】『だるまちゃんとかまどんちゃん』加古里子作・絵

レビュー

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だるまちゃんとかまどんちゃん

『だるまちゃんとかまどんちゃん』

著者
加古 里子 [著]
出版社
福音館書店
ISBN
9784834083736
価格
972円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

【児童書】『だるまちゃんとかまどんちゃん』加古里子作・絵

[レビュアー] 本間英士

■本分貫いた代表作の最新刊

 2日に急逝した絵本作家の加古里子(かこ・さとし)さん。代表作「だるまちゃん」シリーズは、今もなお多くの子供たちの心をひきつけている。本作はその最新刊として、今年1月に刊行された。

 ある日、隣町の「みやぎどおり」に遊びに行っただるまちゃんは、子供たちからおままごとに誘われる。そこで出会った「かまどんちゃん」という子が作ってくれたのは、草花を使った多彩な“料理”。おさしみに天ぷら、卵焼き。だるまちゃんが感心していると、どこからか本当に焦げ臭いにおいが漂ってきて…。

 かまどんちゃんのモデルは、東北地方の旧家のかまど近くに設置された火の守り神。加古さんはあとがきで、「東日本大震災と津波に被災された方々への鎮魂と慰霊、そして原発事故への警鐘の念をこめて作品とした」とつづっている。

 本作と合わせ、沖縄を舞台にした『だるまちゃんとキジムナちゃん』、多彩なおばけが登場する『だるまちゃんとはやたちゃん』も同時出版。晩年まで、現役の絵本作家としての本分を貫いた。(福音館書店・900円+税)

 本間英士

産経新聞
2018年5月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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