『国宝の解剖図鑑 国宝を知れば日本の美術と歴史がわかる』佐藤晃子著
[レビュアー] 産経新聞社
「国民の宝」である国宝。だれもが知る名品も多いが、そのすごさ、よさがわかりにくいものもある。本書は工芸品、絵画、彫刻、建造物の4ジャンル90件以上の国宝をイラストなどで、わかりやすく解説・紹介している。
たとえば平家納経(広島・厳島神社)は〈豪華絢爛(けんらん)な装飾経が33巻フルセットで現存〉、救世観音(奈良・法隆寺夢殿)は〈平安時代からの秘仏。保存状態が良く、今も美しく金箔(きんぱく)が残る〉など「ここがすごい」と説明。年表、豆知識、実物を見るためのアクセスなども。国宝を通じて日本人の生き方、価値観まで学べる。(エクスナレッジ・1600円+税)