【聞きたい。】一石英一郎さん 『日本人の遺伝子』

インタビュー

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日本人の遺伝子 ヒトゲノム計画からエピジェネティクスまで

『日本人の遺伝子 ヒトゲノム計画からエピジェネティクスまで』

著者
一石 英一郎 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784040822020
発売日
2018/03/09
価格
864円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

【聞きたい。】一石英一郎さん 『日本人の遺伝子』

[文] 平沢裕子


一石英一郎さん

■「内なる自分」に注目を

 「日本人のDNAは、古代ユダヤ人と共通している!」。本の帯の文言は突拍子もない内容に思えるが、最新の遺伝子研究から導きだされた結果という。

 「ヒトゲノム・プロジェクト」が完了し、「人間の設計図」である全ゲノムが解読されて15年。大学院時代に取り組んだ「遺伝子栄養学」の研究をきっかけに遺伝子と健康の関わりを追求してきた医師である著者が、これまでに解明された日本人にまつわる遺伝子について一冊にまとめた。

 「日本人のルーツはこれまで中国や韓国に端を発するとされてきたが、遺伝子の観点からは古代ユダヤ人との共通点が多く、私たちの祖先は遠く離れたヨーロッパの方からやってきたようです。調べると、日本神話はギリシャやヨーロッパの神話と内容が重なり、古文書の記述とも一致する。最新の遺伝子解析で明らかになった事実を基に、日本人の原点に迫りたかった」

 人はなぜ病気になるのか。なぜ太るのか。なぜ恋をするのか。多くの人が抱く素朴な疑問も遺伝子の観点から解説。世界が絶賛する日本の「おもてなし」も細やかな気配りができる遺伝子によるもので、日本人ならではの気質という。

 遺伝子は生まれついた「運命」でなく、生まれた後の「環境」によって大きく変化するという「エピジェネティクス」の考えも紹介。遺伝子的に太りやすくがんにかかりやすい体質を持っている日本人が世界トップクラスの寿命を誇るのは、美しい海や山など自然が身近にある環境が遺伝子にいい影響を与えているからとし、遺伝子を鍛えることの大切さを説く。

 「親(先祖)から自分、そして子供へと伝わる遺伝子は、私たちの生活に密接に関わっている。人生を健康で楽しく過ごすためにも、『内なる自分』である遺伝子の特性を知り、生かしていく方法を考えてもらえれば」(角川新書・800円+税)

 平沢裕子

   ◇

【プロフィル】一石英一郎

 いちいし・えいいちろう 昭和40年、神戸市生まれ。京都府立医科大大学院内科学専攻修了。国際医療福祉大学病院内科学教授。消化器内科で診療を行うかたわら、統合医療や医工学の研究にも携わる。

産経新聞
2018年5月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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