旧ユーゴスラビアのサッカーを取材してきた著者によるヒット作の文庫化。民族紛争による祖国の分断を乗り越えようとする元日本代表監督の奮闘を描く。
オシム氏とハリルホジッチ氏が監督と選手として対決した1981年のタイトル戦決勝の場面で始まる「2018年ロシアW杯に向けて」という文庫オリジナル最終章を読むと、さまざまな問題がひとごとでないことが痛感される。〈世界には憎しみと抗争が続いているが、ワールドカップはそれを平和の方向に導いているのだ〉(オシム氏)
テレビ観戦がより味わい深くなるはず。(木村元彦著、小学館文庫・630円+税)
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2018年6月17日 掲載
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