「最速行動」が結果に直結する。No.1不動産営業マンのメソッドとは?

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月商6億円 日本No.1営業マンの「最速」仕事術

『月商6億円 日本No.1営業マンの「最速」仕事術』

著者
天田浩平 [著]
出版社
祥伝社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784396616557
発売日
2018/07/01
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

「最速行動」が結果に直結する。No.1不動産営業マンのメソッドとは?

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

2017年秋、日経産業新聞の最終面に、『月商6億円 日本No.1営業マンの「最速」仕事術』(天田浩平著、祥伝社)の著者に関する記事が掲載されたのだそうです。

日本財託グループ 天田浩平さん

売れる営業 私の秘密

自ら70戸投資 経験語る

投資用マンション年272戸販売

(「プロローグ」より)

「年272戸販売」ということは、月平均に換算すると22戸。都内の中古マンションは、1戸あたり平均2000万円はする高額商品であるため、著者は「1カ月に22戸×2000万円。毎月4億円以上分の中古ワンルームマンションを売り続けている営業マン」(2017年時点の記録)ということになります。

販売個数の業界平均は月0.5戸といわれているそうなので、驚くべき実績だといえそうです。でも、なぜそんなことができるのでしょうか?

この点については、当たり前のことをしている感覚なので、「これさえやれば絶対に売れる」というセオリーがあるわけではないといいますが、日々思い、実行しているのは次のようなことだとか。

1 「お客様のため」という明確な志をもつ(=顧客志向)

2 商品に対する絶対的な自信をもつ(=商品知識)

3 スピーディー、かつ積み重ねを大切に行動する(=行動力)

(「プロローグ」より)

決して特別なことではないように思えますが、逆に言えば「明確な志があり、商品に自信もあり、スピーディーに行動し、それを継続すれば売り上げに直結する」ということになるのではないでしょうか。

とはいえそれは、困難なことでもあるでしょう。そこで本書において著者は、自身のマインドと仕事術を明かしているわけです。きょうはCHAPTER 2「最速で動く 仕事術」のなかから、「最速で、やる」という考え方をクローズアップしてみたいと思います。

「最速行動」が結果に直結する

誰よりも抜きん出たかったら、まずは自分の日々の行動を見なおすことが大切。そう主張する著者が特に気をつけているのは、「最速で、やる」ということだそうです。

なぜなら最速でやると、1分でも2分でも早く別な仕事にとりかかることが可能になるから。それに最速でやると、お客様に喜ばれることにもなります。すると当然ながら自分に対する印象はよくなり、信頼構築にもつながっていくというわけです。

事実、著者は新人のころ、最速でやることを強く意識するようになってから売り上げが上がってきたのだといいます。

いまはパソコンもスマホもあるので、即座にネットで調べて答えられることは多いはず。そのため、お客様から電話で質問を受けたときも、すぐに調べて10分後までには折り返してお答えするのがベスト。

私は、1日に何人ものお客様と喫茶店などで商談を行なうことが多いので、商談の合間の隙間時間ができれば、すかさずiPadやスマホを開いて、素早くご質問内容を調べ、お電話なりメールなりするようにしています。(80ページより)

たしかに、自分が営業マンになにか尋ねたときにすぐ答えてもらえたら、大切な顧客のひとりだと認識されていると思えてうれしいもの。逆に何日経っても返事がなければ、後回しにされた感じがするかもしれません。

ちなみに質問内容によっては、単にネットで調べて済ますだけではなく、きちんとデータを調べ、裏づけをとって回答したほうがよい場合もあるので、その点も意識しておくべき。(78ページより)

LINEでメモる

お客様から電話があったとき、打ち合わせが立て込んでいて電話に出られないとか、出ても即答できないというようなこともあるでしょう。そんなときは、その日のうちに、もしくは翌日までに調べるなどして返答することになるでしょうが、ここで重要なのが「質問があったことをうっかり忘れない」こと。

1件の質問なら忘れることはないでしょうが、たとえばそれが10件になれば、「いつ、どのお客様が、なにを質問したのか」が曖昧になってしまっても不思議ではありません。

だからこそ、どんな質問であっても、スケジュール帳に手書きでメモするなり、スマホのメモ帳機能を利用するなり、自分にとって管理しやすい方法で質問をまとめ、それぞれをいつまでに返事するか記し、完了したら消去していく。そうした一連の流れを習慣づけるべきだと著者は言います。

私は、今は、メモ代わりにアシスタントとのLINEを活用しています。 例えば、「このエリアは、地震が来たときに揺れやすいですか?」とご質問を受けたら、「○○様 Aエリア 地盤」などとキーワードをアシスタントとのLINEに送っておきます。 突然、LINEが送られてきたアシスタントにとっては、「何、これ!?」という感覚だと思いますが、「とにかく、その場で、即座に送る」ことで、質問されたことをうっかり忘れることはなくなります。人を巻き込んでメモをすると、「質問されたことを忘れる」という最悪の事態は確実に避けられます。 こうしてLINEで誰かと共有しておくと、例えば会社に戻った直後に「天田さん、さっきのLINEですけど『Aエリア 地盤』って何のことですか?」と尋ねてくれるので、「あ。あれ、すぐにやらなくちゃ」と思い出すことができます。(81ページより)

そればかりか、ダブルチェックしているのと同じなので安心感もあるでしょう。あとは手の空いた時間に自分で調べるなり、アシスタントに調べてもらうなどすれば、その日中か、遅くても翌日にはお客様に返答できるわけです。

また、自分ひとりでもLINEを活用することは可能。LINEのグループをつくる要領で自分だけ参加し、トークルーム名を「メモ」などとしておけば、閲覧できるのは自分だけなのでいくらでも遅れるということ。

お客様からの質問や、仕事上で思いついたことなどがあれば、その場で“自分LINE”にパパッと送っておく。そしてあとから確認すれば、効率よく仕事ができるわけです。(80ページより)

「調べては、覚え」をひたすら繰り返す

著者は新人のころ、お客様から質問が来る内容について「調べては覚え、調べては覚え」をひたすら繰り返したのだそうです。その結果、半年くらいが経過したころには、「このエリアには、おもに何歳くらいのどんなお客様が入居するのか」「人気のエリアや沿線はどこか」「固定資産税など税金に関することはどうなるのか」など、基本的な質問についてはほとんど答えられるようになっていたのだといいます。

いいかえれば、「お客様は、何千万円という大金を投資するのだから、ご質問があればしっかりとお答えしなくては」という使命感を持って日々の仕事に臨んでいたということ。

そのころ同期よりも勉強し、「最速で、やる」を実行し続けたからこそ、そこから10年後に「年間最多販売個数272戸」という結果に結びついた。著者は、そう振り返っています。(83ページより)

奇をてらうのではなく、当たり前のことを当たり前にやる。そんなことの大切さを、本書は改めて感じさせてくれます。だからこそ、なんとか売り上げを伸ばしたいと感じている営業マンは読んでみるべきかもしれません。

Photo: 印南敦史

メディアジーン lifehacker
2018年7月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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