『ほぼ命がけサメ図鑑』 沼口麻子著

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ほぼ命がけサメ図鑑

『ほぼ命がけサメ図鑑』

著者
沼口 麻子 [著]
出版社
講談社
ジャンル
自然科学/自然科学総記
ISBN
9784062205184
発売日
2018/05/10
価格
1,944円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『ほぼ命がけサメ図鑑』 沼口麻子著

[レビュアー] 塚谷裕一(植物学者・東京大教授)

 サメに入れ込んだ自称「シャークジャーナリスト」の著者によるサメ図鑑である。全編に、サメ愛に目覚めた次世代の子どもたちへの応援があふれていて、好感が持てる。

 自宅で数多くの種類のサメを飼っている少年、自分よりサメに詳しい人間がいることを著者の公開講義で知って悔しがる少年など、どうやら日本にはたくさんのサメ少年・サメ少女がいるらしい。本書はそうしたサメ愛に目覚めた子ども・大人、そしてその可能性を秘めた人たちのための、サメの蘊蓄(うんちく)書である。

 著者曰(いわ)く、人食い鮫(ざめ)などと言うのはフィクションの産物だという。よほどでなければサメに食われて死ぬことはないはずとのこと。ではなぜ本書のタイトルが「ほぼ命がけ」なのか。どうやらダイビング中に低体温症となったのが、この言葉の謂(い)われのようだ。

 しかしリンゴの香りがするサメがこの世にいるとは、思いもしなかった。サメ図鑑と言いつつも絵の方は正直、種間の違いがよく分からなかったが(笑)、夏休みを機にサメに詳しくなりたい方には、大人と子どもとを問わずおすすめできる本である。(講談社、1800円)

読売新聞
2018年7月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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