『日本の洋食』 青木ゆり子著

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日本の洋食

『日本の洋食』

著者
青木 ゆり子 [著]
出版社
ミネルヴァ書房
ジャンル
社会科学/社会
ISBN
9784623082919
発売日
2018/05/18
価格
2,160円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『日本の洋食』 青木ゆり子著

[レビュアー] 戌井昭人(作家)

 食べることが大好きだ。食事をしていると幸せな気持ちになってくる。けれども、「明日はなにを食べようか」「このまえ食べたあれは美味(おい)しかった」などと食べ物について、いろいろ思いを馳(は)せている時間も好きなのだ。もしかすると実際に食事をしているときより、そのように食べ物について考えているときの方が幸せを感じているのかもしれないと思えてくる。

 本書は、外国から日本に入ってきて独自に進化した「日本の洋食」を、歴史と照らし合わせながら紐解(ひもと)いている。カレー、スパゲティ、カツレツ、ソーセージ、ピッツァ、ハンバーグ、ハンバーガー。さらに、肉じゃが、ラーメン、天ぷらまであって、現在では、国民食といっても良いものばかりだ。曲芸団として来日したイタリア人が大怪我(けが)をして、日本に居残り、レストランを開いて伝わったミートソース。日本にあったドイツ人の捕虜収容所から伝わったソーセージなどなど、伝わり方もドラマチックだ。

 このようなことを知ると、「明日なにを食べようか」と考える幸せが倍増し、さらに食べることが楽しくなる。

 ミネルヴァ書房、2000円

読売新聞
2018年8月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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