『だけど だいじょうぶ』 農中茂徳著

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だけど だいじょうぶ

『だけど だいじょうぶ』

著者
農中 茂徳 [著]
出版社
石風社
ジャンル
社会科学/教育
ISBN
9784883442812
発売日
2018/06/18
価格
1,944円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『だけど だいじょうぶ』 農中茂徳著

[レビュアー] 加藤徹(中国文化学者・明治大教授)

 「障害」児教育の現場と環境を、小説的な筆致で生き生きと語る。心にずしりと残る本。著者は「障害」と表記する。障害は本人より周りの人々の問題と考えるからだ。

 著者は長年、福岡県の聾(ろう)学校や養護学校(2007年から名称を「特別支援学校」に統一)に勤務した。「障害」児はみな個性的で、家庭環境もばらばらだ。問題行動がたえぬ子、養護学校への「不本意入学」で怒る子、母親から育児放棄された子、落雷事故で「障害」者となり死を願う子、等々。子供たちは泣き顔ばかりでなく、とびきりの笑顔も見せる。著者は、ひとりひとりに寄り添い、ともに手探りで道を模索する。

 学童保育で「障害」児が健常児にまじり、野球をした。小2くらいの子がアイスバーを食べながら「あの人チテキショウガイなんやろう?」と著者にきいた。不意打ちだった。著者は考えた末、大胆な回答をする。答えは、本書を読んでのお楽しみである。

 著者は言う。「だけど、だいじょうぶ。人生は今だけじゃないから」。大人と子供が教わりあい育みあう。未来への希望はそこから生まれる。

 石風社、1800円

読売新聞
2018年8月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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