『何のために「学ぶ」のか』
- 著者
- 桐光学園 [編集]/ちくまプリマー新書編集部 [編集]/外山 滋比古 [著]/前田 英樹 [著]/今福 龍太 [著]/茂木 健一郎 [著]/本川達雄 [著]/小林 康夫 [著]/鷲田 清一 [著]
- 出版社
- 筑摩書房
- ジャンル
- 文学/日本文学、評論、随筆、その他
- ISBN
- 9784480689313
- 発売日
- 2015/01/06
- 価格
- 902円(税込)
書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます
渕書店 BOOKSTORE FUCHI「若い。それだけで特権階級。でも。」【書店員レビュー】
[レビュアー] 渕書店 BOOKSTORE FUCHI(書店員)
本書は、まだ社会に出ていない学生を対象にして各界の賢人が語りかける講義スタイル。メンツは、外山滋比古、前田英樹、今福龍太、茂木健一郎、本川達雄、小林康夫、鷲田清一。読者が知る人もいれば、勉強不足で知らない人もいる。ただ、著作として紹介されている代表著に聞き覚えはあったりするという、まあ、知の猛者達と言えるのでは。その語り口はひたすら直線的。いろいろと回りくどいことは言わない。限られた時間の中でいか若者の知識欲なり、行動動機なり、いい意味での刺激を与えるかに各人構えを見せている。彼らが教える、経験と努力、学ぶための態度。「文武両道は当たり前」「まずは体を動かせ」「辛い境遇から逃げるな」「人には限界があり、人の10倍働く、1日10冊の本を読む。これらはインチキ」「愛読書を持て」「パッケージはわかりやすいのは当然。すでにある。わからないことにはポジティブでおもしろい未知がある。この感じ方が大切」「頭がいいとは努力のしかたを知っているということ」「無理めの課題で快感を感じるドーパミンが出やすいシナプスのネットワークを作る、強化学習」「体のパン(実際)・心のパン(宗教、芸術)・頭のパン(学問)」「世界と自分のズレの中にあらゆる将来の種がある」「エラー、失敗の中、エラーする力こそ世界を変える」等々・・熱い。学生に語るという講義スタイルだが、「学び」を忘れない者は全員彼らの前では学生となるはず。読者の年齢で選ぶことを本書はしてない。ただ、学生であることが物理的に長時間となる現役学生のほうがやはり有利? 若い「学生」。古い「学生」。それぞれのエンジンで動く。本書はガソリン、あるいは水素、電気です。