【気になる!】文庫 『怪談牡丹燈籠・怪談乳房榎』

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怪談牡丹燈籠・怪談乳房榎

『怪談牡丹燈籠・怪談乳房榎』

著者
三遊亭 円朝 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784044003425
発売日
2018/07/24
価格
1,056円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【気になる!】文庫 『怪談牡丹燈籠・怪談乳房榎』

[レビュアー] 産経新聞社

 「怪談牡丹燈籠」は、近代落語の祖・円朝の代表作で、明治17年に刊行。高座で演じたままを速記したものなので実に読みやすい。

 カランコロンと駒下駄の音を響かせ、幽霊が恋人の前に姿を現す。「お露新三郎」「お札はがし」として現在も演じられる若い2人の悲恋の場面はよく知られているが、全体は長大な物語。敵討ちと忠義、母子の再会などがからみあい、因果応報の世界が繰り広げられる。

 欲にくらんで魔よけの札をはがした中年夫婦の行く末は、卑小な人間に宿る悪を映してじわりと怖い。三遊亭円朝著、角川ソフィア文庫・960円+税)

産経新聞
2018年8月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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