『絶対に出る世界の幽霊屋敷』 ロバート・グレンビル著

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『絶対に出る世界の幽霊屋敷』 ロバート・グレンビル著

[レビュアー] 土方正志(出版社「荒蝦夷」代表)

 原題は「幽霊の出る場所」。「幽霊が実在するかしないかではなく、幽霊が出るといわれている場所を集めた」との著者序文の通り、世界各国で<出る>と噂(うわさ)される城砦(じょうさい)・墓地・ホテル・家・工場・病院などなどを写真家たちが思い入れたっぷりに撮影した写真に、その伝説の解説が付されている。プルーストと友人の作曲家ラベルの幽霊が夜な夜な現われれば、ジョン・レノンの幽霊も出る。宜保愛子らしき霊能者は英国の路地裏で不思議な体験をして、ジョージ・オーウェルが幽霊を目撃した教会跡もある。

 それにしても稚気満点の日本語版タイトル、おみごと。実は収録の某幽霊ホテルに、そんないわれは知らずに泊まったことがある。ご安心を、出ませんでした。たとえば親子で本書をめくりながら、酷暑の夜を涼しくすごすのもいい。片山美佳子訳。(日経ナショナルジオグラフィック社、2000円)

読売新聞
2018年8月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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