あえて鈍感になって「スルーできる人」になれば、複雑な人間関係も円滑になる
[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)
やりたいことを自由にやれている人は、批判されてもひどいことを言われても「スルー」できてしまうもの。つまり、人の不快な言動を、いつも聞いているようで受け流すことができる。
カウンセラーである『スルースキル “あえて鈍感”になって人生をラクにする方法』(大嶋信頼著、ワニブックス)の著者は、そう指摘しています。
そういう人は、ちゃんと自分に必要なアドバイスだけ拾って、どんどんヴァージョンアップしていきます。他人から批判されても聞いてないので、どんどん自由になっていくのです。(「はじめに」より)
また、「スルーできる人」は批判を気にしないからなのか、まわりの人の感情にも流されないのだといいます。まわりの人がどうであったとしても、スルーしてしまうから淡々とやりたいことを続けられるということ。
そればかりか、自由で楽しそうに生きる「スルーできる人」に周囲も引きずられることになるため、まわりの人もいつしか不安や怒り、困難から解放されていくというのです。
加えて「スルーできる人」は、いい意味で「鈍感」。「しなくてもいいこと」をスルーできるため、時間を無駄にすることもないのだといいます。
実は著者自身、いろんなことに敏感で、ちょっとしたことでもすぐ気になってしまうタイプだったのだそうです。
しかし、そんななかで「スルーできる人」のように鈍感になれば、物事が効率よく運び、スルーした不快なことまでがいつの間にか解決してしまっているということに気づいたのだといいます。
そして、カウンセリングにいらしてくださる「敏感すぎる仲間たち」が、いつの間にか鈍感になってスルーできるようになった時に「あ! これまでと違った美味しい人生を生きられるようになっている!」と嬉しくなるんです。
さらに、同じように私も鈍感になっていて、「あ! 人生ってこんなに楽に生きられるものなんだ!」と、これまで体験したことがなかった不思議な感覚を感じることができたんです。(「はじめに」より)
つまり本書は、そんな著者自身の体験に基づいて書かれているということ。第3章「周囲からの小言を自分の中でスルーする」から、いくつかのトピックスを抜き出してみましょう。
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