【今週の労務書】『パワハラをなくす教科書 「健康経営」を実現する基本と原則』

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【今週の労務書】『パワハラをなくす教科書 「健康経営」を実現する基本と原則』

[レビュアー] 労働新聞社

「健康経営」実現の一環

 パワハラは指導監督・業務命令との線引きが難しいケースが多いが、指揮命令系統がある以上どんな職場でも生じ得る。労働相談件数でも最多となっており、企業等へのカウンセリングを行っている著者は、パワハラはセクハラ以上にリスクが大きく、「働き方改革」によって新たなハラスメント行為を生み出す可能性もあると警鐘を鳴らす。

 本書ではパワハラを個々の言動の是非に問うのではなく、労働環境や企業風土の問題として捉え、「健康経営」実現のためのパワハラ撲滅をめざすことを重視している。

 「言ってはいけないこと」を覚えるマニュアルではなく、問題を本質から理解し、職場環境改善につなげるための教材として活用するのに有益な一冊といえる。

労働新聞
平成30年10月22日第3181号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

労働新聞社

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