『フランス人の性』 プラド夏樹著

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フランス人の性

『フランス人の性』

著者
プラド夏樹 [著]
出版社
光文社
ジャンル
社会科学/社会
ISBN
9784334043674
発売日
2018/08/18
価格
886円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『フランス人の性』 プラド夏樹著

[レビュアー] 森健(ジャーナリスト)

 昨年女性への性被害に対する抗議運動が世界的に広がった際、フランスでは「ナンパする自由を」という声が女性から上がった。性に寛容という印象がある国だが、本書はその土壌を掘り下げた。

 在仏の女性著者はまず同国の性教育を紹介。幼年時から段階的に愛情生活も絡めて教える制度があり、保健室にはコンドームや事後に飲むピルも用意されているという。

 だが、本書の肝は文化の成り立ちを歴史的に解きほぐした部分だ。5世紀末に国教となったキリスト教の禁欲的な教えが広がるが、中世では主君の妻に部下が恋する騎士道の世界も出現。王政末期から自由な恋愛と快楽を追求するようになった近代へ、と経緯が明かされる。こうした流れの後、恋愛とセックスは「キリスト教との熾烈(しれつ)な戦いの末に獲得した」自由であり、民主主義的な枠組みだという指摘は強い説得力がある。

 同国では現代も性事情が活発だが、それは結婚に縛られない関係を維持するために必要で「シビア」でもあるという指摘には思わず唸(うな)る。歴史や政治、文化など多様な視点が読み応えと深みを与えている。(光文社新書、820円)

読売新聞
2018年10月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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