『死ぬこと以外かすり傷』
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稀代のヒットメーカーが語る自分にしかできない素晴らしいこと
[レビュアー] 田中大輔(某社書店営業)
『お金2.0』(佐藤航陽著、幻冬舎)や『読書という荒野』(見城徹著、幻冬舎)など、本コーナーでも紹介したベストセラーをいくつも編集している箕輪厚介氏。いまビジネス書の世界で一番勢いのある編集者だといって間違いない。彼の初の著書『死ぬこと以外かすり傷』が好調だ。8月末に発売されて8刷、8万部まで売上げを伸ばしている。
ヒットメーカーである箕輪氏がどのような姿勢で本を作っているのか。また堀江貴文氏に「今一番速い。1週間単位で成長している」と言わしめる箕輪氏の成長の秘訣はなんなのかがこの本を読むとよくわかる。
箕輪氏の編集する本に総じて言えるのは、とにかく熱量が高いことである。箕輪氏いわく、「世界中の誰も興味を持たなくても、もし自分が最高の本だと思えればそれでいい」そうだ。大切なのは自分の心がどれだけ動くかだ。だから常に自分の感覚で自分が読みたいものを作っているのだという。自分がおもしろいと思うものを一人でも多くの人に届けたい。そういった強い思いが本に反映されているから、きっと多くの人に響いているのだろう。
箕輪氏の成長の秘訣はとにかく手を動かすことにあるようだ。圧倒的なスピードと量を両立させることで彼は飛躍的な成長を遂げている。全てを模倣することは難しいかもしれないけれど、彼のように成長をしたいのなら、まずは「昨日までできなかったことをできるようにする」というのを日々積み重ねてみてはどうだろうか。とにかく「今やれ」と彼は言う。何よりも大事なのは行動するかどうかである。行動する人にとって今ほどチャンスの多い時代はない。
さらに箕輪氏は言う。「あなたがやりたくないことはあなたがやめても実は誰も困らないことだ。明日から何事もなかったかのように世界は続いていく。しかし、あなたが心の底からやりたいと願うことは、あなたにしかできない素晴らしいことだ。明日からの世界を変える可能性がある」と。すべての人が心から熱狂できることを始めたら、世の中はもっとイノベーティブでポジティブなものになるかもしれない。