『すべての道は役者に通ず』 春日太一著

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すべての道は役者に通ず

『すべての道は役者に通ず』

著者
春日 太一 [著]
出版社
小学館
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784093801058
発売日
2018/10/05
価格
1,836円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『すべての道は役者に通ず』 春日太一著

[レビュアー] 戌井昭人(作家)

 二十三人のベテラン俳優が人生、仕事を語っている本書は、日本映画に関しての面白い読み物をいつも提供してくれる春日太一さんが聞き役となり、興味深い話を引き出している。これは週刊ポストの連載「役者は言葉でできている」の書籍化で、前回は『役者は一日にしてならず』という本にまとめられ、今回は第二弾になる。

 一括(ひとくく)りに役者といっても、子役あがりの人、親が俳優だった人、芝居には興味がなかった人、裏方をやっていたらいつの間にか役者になっていた人など、過去も違うし、役に向かうスタンスも、それぞれ個性的だ。しかし、ここに登場する方々は長年芝居に関わり、色々な人間を演じてきたわけだから、それぞれ独特な考え方を持ち、そこに哲学がある。

 もちろん順風満帆だったわけではないので深みもあり、彼らの語ることは、役者以外の人生論にも通じている。個人的には、加藤武さん、中村嘉葎雄さんが好きな役者だったので嬉(うれ)しかったが、読んでいるうちに、知らなかった側面を知り、好きになった役者も沢山いた。

 小学館 1700円

読売新聞
2018年11月4日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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