<東北の本棚>効果的なリハビリ紹介

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腎臓病は運動でよくなる!

『腎臓病は運動でよくなる!』

著者
上月正博 [著]
出版社
マキノ出版
ジャンル
芸術・生活/家事
ISBN
9784837613343
発売日
2018/12/17
価格
1,430円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

<東北の本棚>効果的なリハビリ紹介

[レビュアー] 河北新報

 国内の患者数が1330万人に上り「新たな国民病」ともいわれる慢性腎臓病。腎障害や腎機能の低下が3カ月以上続いた状態を指す。成人の8人に1人がかかり、糖尿病患者よりも多い。
 東北大病院リハビリテーション部長を務める著者は「安静第一」とされてきた腎臓病治療に適度な運動を取り入れた、リハビリテーション医学の第一人者。長年の研究でその効果を明らかにしてきた。
 著者が提唱するのは体操、運動、筋トレの3本柱で構成する「東北大学式・腎臓リハビリテーション」。気軽にできるかかとの上げ下ろしやウオーキング、スクワットなどを患者の体力を考慮し組み合わせる。本著では体の動かし方をイラストで分かりやすく紹介している。
 食事療法や薬との付き合い方など、日常生活を包括的にケアする重要性も説く。リハビリで肝機能を回復させた体験談もあり、読者の励みになるだろう。
 リハビリに取り組むことは「自立し、その人がその人らしく生きる権利を取り戻す」ことにつながるという。リハビリの可能性を信じ、患者の生きる力を引き出すことに心血を注いできた著者の言葉は重みがある。
 著者は1956年山形市生まれ。東北大大学院医学系研究科教授。
 マキノ出版03(3815)2981=1404円。

河北新報
2019年2月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

河北新報社

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