三浦正幸監修「復元CG 日本の城」

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復元CG 日本の城

『復元CG 日本の城』

著者
三浦 正幸 [監修]
出版社
山川出版社
ジャンル
歴史・地理/日本歴史
ISBN
9784634151437
発売日
2019/01/08
価格
1,944円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

三浦正幸監修「復元CG 日本の城」

[レビュアー] 読売新聞

 目の肥えた城ファンは石垣から城の原風景を夢想できると聞くが、私のような人間には、失われた天守や櫓(やぐら)、堀を可視化するCGはありがたい。写真、絵図、文献や発掘調査結果に基づいて制作された江戸城、金沢城など全国の近世城郭26城分のCGをまとめた。

 当時の海岸線や地形を背景に城の“存在感”を醸し出すCGは、近世城郭こそ親和性が高い。というのも、戦いの場だった中世の城と違い、近世の城はいわば、城主の権力の象徴。庶民の目に映る荘厳さが重要だったから。現状の空撮写真と対比させる構成もいい。

 今は石垣と堀の一部などが往時の姿をとどめるだけの萩城(山口県)は、背後の山城と海と堀で堅く守られ、美観を誇ったことがわかる。津山城(岡山県)は知名度は低いが、調和ある大城郭だった。実在も不確かな天守を入れた福岡城など、CGならではの遊び心も楽しい。(山川出版社、1800円)(辻)

読売新聞
2019年2月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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