学校の「当たり前」をやめた。…工藤勇一著

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学校の「当たり前」をやめた。

『学校の「当たり前」をやめた。』

著者
工藤 勇一 [著]
出版社
時事通信出版局
ジャンル
社会科学/教育
ISBN
9784788715943
発売日
2018/12/04
価格
1,980円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

学校の「当たり前」をやめた。…工藤勇一著

[レビュアー] 森健(ジャーナリスト)

 こんな中学校だったら行ってみたいと思ったのは初めてだ。東京・千代田区の麹町中では現在、宿題もなく、クラス担任もなく、中間・期末試験もない。書名どおり「学校の『当たり前』をやめた。」。

 だが、それが生徒の活気と意欲を大きく引き出しているという。著者は同校の校長。大胆な変革は学校の目的を考え抜いた末の取り組みだ。

 今の学校は「手段を目的化」し、真の目的を見失っていることがよくあるという。本来、学校は「社会の中でよりよく生きていけるようにする」ためにある。そう上位の目的を設定し、つねにその目的に達するように、あらゆる行事を考え直す。すると、さまざまな変化が生まれた。

 修学旅行は取材旅行と位置づけて現地を取材、帰ってからパンフレットをつくる。ノートはただ黒板を書き写すのではなく、疑問や課題を把握できるように書く。運動会では責任問題が後を引くようなクラス対抗をやめ、1日だけのチームで参加する。

 慣習に囚(とら)われず、本質を捉えて進む。学校だけでなく、一般に適用できる考え方と実践が詰め込まれている。(時事通信社、1800円)

読売新聞
2019年2月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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