自殺会議 末井昭著

レビュー

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自殺会議

『自殺会議』

著者
末井昭 [著]
出版社
朝日出版社
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784255010939
発売日
2018/12/13
価格
1,814円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

自殺会議 末井昭著

[レビュアー] 戌井昭人(作家)

 末井昭さんが自殺について書いたものは二〇一四年に講談社エッセイ賞を受賞した『自殺』があるので、本書は第二弾ということになる。

 今回は自殺しようとしていた人、また近親者が自殺をした人にインタビューをしたり、自殺の名所や自殺率の極端に少ない町を訪れ、そこでも自殺防止活動をしている人や住人をインタビューしている。まさに自殺に関するフィールドワークだ。

 末井さん自身も、お母様がダイナマイトで心中をしているという壮絶な体験があり、聞き手としてはじゅうぶんだが、悲壮感の漂う感じにならないのは、末井さんの飄々(ひょうひょう)とした人柄もあるからだろう。また、そのような末井さんだから、対談相手も、あけすけになっていくのだ。

 末井さんの考察は独特なところもあるが、読んでいると、至極まっとうだと思えてくる。そして不思議と楽しい。

 「自殺」がテーマであるのに「楽しい」とは何事だ、不謹慎じゃないか、と思えるかもしれないけれど、生きていれば何かしらの喜びがあるということを教えてくれる本でもある。(朝日出版社、1680円)

読売新聞
2019年2月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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