はじめてのアメリカ音楽史 ジェームス・M・バーダマン、里中哲彦著

レビュー

6
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はじめてのアメリカ音楽史

『はじめてのアメリカ音楽史』

著者
ジェームス・M・バーダマン [著]/里中 哲彦 [著]
出版社
筑摩書房
ジャンル
芸術・生活/音楽・舞踊
ISBN
9784480071934
発売日
2018/12/05
価格
1,015円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

はじめてのアメリカ音楽史 ジェームス・M・バーダマン、里中哲彦著

[レビュアー] 宮下志朗(仏文学者・放送大特任教授)

 「極東放送」(現在のAFN)でアメリカンポップスに夢中になり、フォーク、ロック、ジャズを追いかけたのも今は昔。でも、音楽が後景に退いたぼくの心を熱くしてくれる本が現れた。

 フォスターやミンストレル・ショーといったルーツから始めて、ゴスペル、ブルーズ、ジャズ、ソウル、カントリー、フォーク、ロック、ヒップホップまで、アメリカ音楽の流れをたどる、冴(さ)えた対談本だ。排除はだめ、多様な人種・文化の混交こそ創造のエネルギーだとよくわかるし、南北戦争、奴隷制、公民権運動と、アメリカの歴史・文化の理解に必須の事項も、音楽とからめて学習できる。

 ジャンル誕生の場も重要だ。たとえばニューオリンズは奴隷貿易の中心だが、その地の「黒人法」は非抑圧的で、奴隷たちの広場での歌や踊りがジャズの原点だという。地図入りだし、ラフカディオ・ハーンがそれを目撃していたことも教えてくれる。

 エルヴィスの偉大さを熱く語るのは、ブルーズの聖地メンフィス生まれのバーダマンさん。年表、アルバム紹介付きと至れり尽くせりだ。(ちくま新書、940円)

読売新聞
2019年3月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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