<東北の本棚>でっかいかまくらつくったよ
[レビュアー] 河北新報
大雪がやんだ朝。だいちはパパとかまくら作りに初挑戦する。ずっしり重い雪を何度も積んで固め、大きな山が完成。横穴を一生懸命掘っていると、小さな妹のふうこが入り口をぼこぼこにしてしまった。
兄に怒られ泣くふうこ。大事なかまくらを壊されすねるだいち。よくあるきょうだいげんかだけど、かまくらの中で一緒に絵本を読んでいるうちに仲直り。おや、ママが熱々のいものこ汁を持ってきてくれたよ。みんなで食べようね-。
幼いきょうだいの何げない一日を、優しいタッチで描いた。泣きべそ、しかめっ面、いものこ汁をほおばる笑顔。生き生きとした子どもたちの表情に、著者の温かなまなざしを感じる。
著者は1953年横手市生まれ。著作に「はやくかえってこないかな」(福音館書店)や「パパとあたしのキャンプ」(ひさかたチャイルド)。
リーブル03(3958)1206=1296円。