『熱帯』
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【坂上麻季・京橋店】
幻の本を追いかけて踏み入れたのは幾重にも重なる物語の密林。葉陰のそこかしこにひそむ謎に浮かされて、1人、また1人、姿を消していく。冷や汗がつたい、もう自分のいる場所もわからないのに胸は高鳴り、追い続けずにはいられない。あなたも『熱帯』を開けば最後、この謎から逃れることはできないのです。
【川俣めぐみ・横浜店】
もう、読んでいるあいだ楽しくて仕方なかった。物語の中に違う物語が入り込んで、もはやどこまでがどの物語かすらわからなくなってくる物語。しかし、そんなことすらもはや気にならない。森見さんの仕掛けた『熱帯』という物語の魅力(魔力?)に取り憑かれてしまったとしか思えない!(笑)この物語は本当にこれで終わったのだろうか? ちゃんと最後まで読めた? 最後まで読んだ人間がいないという「熱帯」という物語と同じく、これもじつは終わっていない気もして、また最初からページをめくってしまう……。
「キノベス!」は過去1年間に出版された新刊を対象に、紀伊國屋書店で働く全スタッフから公募した推薦コメントをもとに選考委員の投票でベスト30を決定し、お客様に全力でおすすめしようという企画です。今年は18名の選考委員が全社から集まった応募コメントを熟読し、ベスト30を決定しました。