アカウントがあれば誰でも参加できる「TwItter文学賞」の気になる結果〈トヨザキ社長のヤツザキ文学賞〉

レビュー

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  • 最初の悪い男
  • 82年生まれ、キム・ジヨン
  • 自転車泥棒
  • 奥のほそ道
  • フィフティ・ピープル

書籍情報:版元ドットコム

アカウントがあれば誰でも参加できる「TwItter文学賞」

[レビュアー] 豊崎由美(書評家・ライター)

 三月三日、第九回Twitter文学賞の結果が発表されました。これは、ツイッターのアカウントを持っている人なら誰でも参加できる文学賞。「ツイッター文学賞事務局」が運営し、アメリカのサンフランシスコを拠点とするTwitter社は一切関与していません。

 他の文学賞とは異なり、作家や批評家が選考に加わらず、第九回の場合、二○一八年に刊行された小説の中から、一般ユーザーが最も面白いと思った国内・海外の作品それぞれに一票を投じることで順位を決定。つまり、投票された作品はすべて、誰かにとっての一等賞であることが特徴的な文学賞なんです。

 今回の投票数は、国内が七二四票(うち、一票作品が八二タイトル)で、海外(翻訳小説)が四七九票(同五八タイトル)。紙幅がないので、ここではベスト5しか発表しませんが、全投票結果はhttps://twitter-bungaku-award.theblog.me/ で確認することができます。

 国内篇は、五位=姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』(文藝春秋)、四位=多和田葉子『地球にちりばめられて』(講談社)、三位=高山羽根子『オブジェクタム』(朝日新聞出版)、二位=五條瑛『焦土の鷲 イエロー・イーグル』(徳間書店)、一位=深緑野分『ベルリンは晴れているか』(筑摩書房)。海外篇は、五位=チョン・セラン『フィフティ・ピープル』(亜紀書房)、四位=リチャード・フラナガン『奥のほそ道』(白水社)、三位=呉明益『自転車泥棒』(文藝春秋)、二位=チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)、一位=ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』(新潮社)。

 一位作品の作者と翻訳者には、アルマジロひだか氏製作による編みぐるみトロフィーを贈呈。受賞作の版元には、全投票者の中から抽選で選ばれた一名に、自社刊行の書籍を一万円分贈呈する義務が課されます。

 言ってみれば、運営サイド、投票してくれる一般読者、一位作品の作者と翻訳者と版元が一致協力して成立する手作り文学賞。ツイッターをやっていない方も、是非、全投票結果をチェックしてみて下さい。

新潮社 週刊新潮
2019年3月21日号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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