『検証 平成建築史』内藤廣、日経アーキテクチュア著
[レビュアー] 産経新聞社
建築界において「平成」とはどんな時代だったのか。バブル経済の崩壊があり、阪神淡路大震災の「震度7」は耐震基準の見直しなど建築界を一変させた。東日本大震災では社会と建築界との断絶もあらわになった。他にも業界のモラルが問われた構造計算書偽造事件や、ザハ・ハディド案の白紙撤回など社会を揺るがせた新国立競技場問題も記憶に新しい。
建築界が過去30年間に何を変え、何を未来に積み残したのかを、建築家の内藤廣(ひろし)氏へのインタビューを軸に検証している。建築の“目利き”らが選んだ「私の平成建築10選」も興味深い。(日経BP社・3200円+税)