クレイジーカルチャー紀行…ケロッピー前田著

レビュー

10
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

クレイジーカルチャー紀行

『クレイジーカルチャー紀行』

著者
ケロッピー前田 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784041075159
発売日
2019/02/22
価格
1,620円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

クレイジーカルチャー紀行…ケロッピー前田著

[レビュアー] 鈴木洋仁(社会学者・東洋大研究助手)

 身体改造ジャーナリストを名乗る著者による、四半世紀を超える取材旅の記録だ。

 それも、傍観者ではなく、「まず、自分でやってみる」からリアリティーが違う。

 ピアスやタトゥーどころか、マグネットを右手の平に埋め込む。すると、感度が鋭敏になり、新しい感覚を生む。

 表紙を飾るボディサスペンション(肌にワイヤーを通した宙吊(づ)り)は、「非日常的な浮遊感」や「精神的高揚感」をもたらすと著者は書く。

 とはいえ、なぜ、人は身体を改造するのだろうか。

 その問いについて本書は、世界各地の現場で集めた生の言葉と写真で答える。

 481個ものピアスをつけギネス記録を誇る、ロルフ・ブッフホルツは「ある日突然、普通の人間でいるのが嫌になったのさ」と四〇歳を超えてから身体を改造したきっかけを語る。

 ほかにも、自ら指を切断したり、性器を改造したり、舌を切り裂いたりした、ありえない姿が写真に収められる。

 著者は、ゲテモノ趣味ではなく、紀行先の歴史と文化に思いを馳(は)せ、人間と身体の関係に再考を迫る。(KADOKAWA、1500円)

読売新聞
2019年5月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

  • このエントリーをはてなブックマークに追加