身のまわりの「ムダ」を洗い出したら、1日の仕事は3時間で終わらせられる

レビュー

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1日の仕事を3時間で終わらせるダンドリ術

『1日の仕事を3時間で終わらせるダンドリ術』

著者
山本憲明 [著]
出版社
フォレスト出版
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784866800356
発売日
2019/05/09
価格
1,650円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

身のまわりの「ムダ」を洗い出したら、1日の仕事は3時間で終わらせられる

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

私が会社を辞めて独立し、税理士業を始めたのは2005年です。そして今から13年前の2006年頃、税理士として脂が乗ってきた私は、1日16時間以上仕事をしていました。 しかし今は、1日のうち3~4時間しか実質的に仕事をしていません。

これは誇張でもなんでもなく、本当のことです。(「はじめにーーなぜ1日16時間労働を3~4時間まで減らせたのか?」より)

1日の仕事を3時間で終わらせるダンドリ術』(山本憲明著、フォレスト出版)の著者は、自身の働きかたについてこう明かしています。

仕事をする時間を8割減らしたものの、お客さまに迷惑をかけることもなく、収入が大きく減ったわけでもないのだとか。

それどころか、ムダな経費が減ったことで利益が増えたため、手取り金額は増えているというのです。

本当にそんなことができるのかと不思議に感じますが、どうやらポイントはムダを省くことにあるようです。

ほとんどの人は「ムダな仕事」や「やらなくてもいい仕事」で時間を浪費しているということ。

多くの仕事に対して「これをやらなきゃ」と感じるのは、単なる“思い込み”。しかし著者の経験上、そういった仕事の大半を辞めてしまってもなんら問題はなかったのだそうです。

つまり、いまの仕事をすべて見なおし、核心的で「どうしても必要」という仕事だけをやり、残りの時間は自分自身や周囲の人たちの将来をよくするために使えばいいという考え方なのです。

第1章「身のまわりの『ムダ』を洗い出す」のなかから、2つのポイントを抜き出してみましょう。

「仕事が速い人」ほど、手放している

「仕事が速い人」には、「膨大なタスクをすごいスピードでこなしていく」というようなイメージがあるかもしれません。ところがそういう人には、さらに多くの仕事が降りかかってくるもの。

するとそれらをまたスピーディにこなさなければならなくなり、いつかパンクしてしまうことになりかねません。

しかし実際のところ、「仕事が速い人」は適度に仕事を手放しているものなのだといいます。

基本的には自分にしかできない仕事だけをやり、それ以外の(誰にでもできる)仕事は、ほかの人に任せたりしているというのです。

そればかりか、必要のない仕事だと判断したら、ほかの人に振ることすらせず、どんどん捨てていくということもあるのだとか。

3人で済むような会議に10人も出席して全員で時間を浪費したり、エクセルで自動計算できるものを手計算するなど、世の中にはムダな仕事が多いもの。

そんななか、必要のないムダな仕事をどんどんやめ、手放していくことはとても大切なのだと著者は主張するのです。

実は多くの仕事が、「機械にまかせる」「人にまかせる」「その仕事自体をやめてしまう」のいずれかの方法で手放せるはずです。

仕事を手放すことができたら、得意なことや好きなこと、あるいは自分にしかできないような仕事をするのです。そうすれば、少ない時間で成果を出せるようになります。(40ページより)

人はどうしても、「あれもやらなければ、これもやらなければ」と思って仕事を抱えてしまいがちです。

しかし仕事が速い人は、ムダにタスクを抱え込むことなく、自分がやりたいことだけをやり、成果を出しているということ。

でも当然ながら、そうした状態になるためには、考え方とやり方を変えることが必要になってくることでしょう。

そこで、たとえば「タスクリスト」を捨て、毎日やりたい仕事、成果が出る仕事だけをやっていくのもひとつの手だといいます。

その結果、しばらく経つと「どうしてもやらなくてはいけない」「やらないと困る」仕事が浮き彫りになってくるものだから。

もちろん、そうした仕事はやるべきでしょう。しかし、それ以外の仕事はやらなくても支障がないのですから手放すことが可能になります。

そうしたことを繰り返すうちに、「やらなくてはならない」仕事の大半が“思い込み”だったことに気づくことになっていくということです。

自分の人生において、最低限やっておけばいいことを決めてみるべきだと著者は記しています。たとえばそれがAとBだったとしたら、大切なのは「最低限それだけは毎日やる」と決めること。

そして、それ以外のことは、できるときにはやればいいし、できないならやらなくてもいいということ。「AとBさえやっていれば、自分の人生は問題ない」と考えるわけです。

大胆な考え方のようにも思えますが、著者の経験上、それはそれで案外うまくいくものなのだそうです。

逆に言えば、自分が決めたAとBに時間を割けなくなったら問題だと考えるべきなのかもしれません。

必要のないことは徹底的に手放し、自分の得意なこと、好きなことをして生きることを心がけるべきだというのです。(38ページより)

「やること」の前に「やらないこと」を決める

仕事をどんどん手放すための具体的な方法のひとつが、「やること」だけではなく「やらないこと」を決めること。

「やること」だけを決めると、それがどんどん増えていくことになります。毎日やることがたまり、それをこなすのに1日何時間もかかってしまったりするわけです。

ちなみに、「やること」には負荷をかけないことも重要だといいます。著差も毎日やることを決めてはいるものの、すぐに終わるようなことを中心にしているというのです。

そして代わりに、かなりしっかりとつくっているのが「やらないことリスト」。

たとえば、「SNSをあまり見ない」ということをリストに入れているのだそうです。

SNSはついダラダラと見てしまい、気がつけばあっという間に時間がすぎてしまったりするものだから。また、「飲み会に行かない」「間食をしない」「爪を噛まない」「18時以降は税理士業務をしない」「目的なくテレビを見ない」などの項目も。

「やらないことリスト」をつくるべきだと言われると、つい難しく考えてしまいたくなるかもしれませんが、そうではなく、入れる項目はなんでもいいわけです。

私自身は健康第一という考えを持っているため、体に良いと思う行動を「やることリスト」に入れ、体に悪いと思われる行動を「やらないことリスト」に入れるようにしています。

つまり、「やらないことリスト」に入っている行動を決してやらないことが、自分が進む人生の先につながっていくという考え方です。(43ページより)

ただし「やらないことリスト」は、ただつくるだけではなく、毎日見返さないと意味がないものでもあるでしょう。

そして日々繰り返していくと、やがて「これはもう決してやらないな」と確信できるタイミングが訪れるもの。そうなったら、その項目を消せばいいわけです。

もし「やらないことリスト」に載っていることをやってしまったら、自分に厳罰を与えることも必要だといいます。たとえば、手元にあるお金を使えなくするとか。

いずれにしても、「やるべきこと」を減らして「やらないこと」を増やしていくと、生き方がシンプルになり、時間が生まれてくるそうです。(42ページより)

とにかく大事なのは、既成概念を捨てること

仕事を8割減らし、時間はできるだけ自分のために使うことを考えるべき、そう主張する著者は本書において、自身が実践している「仕事の手放し方」を紹介しているわけです。

ピンときたものだけでも実践してみれば、時間を有効に使えるようになるかもしれません。

Photo: 印南敦史

Source: フォレスト出版

メディアジーン lifehacker
2019年5月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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