『日本の腎移植はどう変わったか』
書籍情報:openBD
『日本の腎移植はどう変わったか 60年代から修復腎移植再開まで』
[レビュアー] 産経新聞社
人工透析を必要とする慢性腎不全患者の根本的な治療法である腎移植。長期生存を可能にした医療技術だが、増え続ける腎不全患者に対し臓器提供者が圧倒的に不足している状況は、臓器移植法施行から22年となる今も変わらない。
本書は、腎不全がほぼ死を意味した時代から、腎移植の道を切り開いてきた医師の活動、修復腎(病気腎)移植に対するバッシングと先進医療の認可、中国への渡航移植など、日本の腎移植をめぐる問題を綿密な取材を基に克明につづる。きれいごとではすまない移植医療に、私たち日本人がどう向き合うべきか考えさせられる。(高橋幸春著、えにし書房・1800円+税)