ユートピア(理想郷)とは逆の世界を描いたディストピア小説。2038年の北米と中南米が1国になった「アメリカ合衆・連邦国」を舞台としている。
そこでは貧富の差は限りなく拡大し続け、貧しい民を「棄民」として強制的に社会からはじき出す政策が取られている。政府は巨費を投じて人工知能(AI)を開発。AIが重要な政策を神のごとく決めている。その“ご宣託”は、パリのエッフェル塔を弾道ミサイルで攻撃せよ、だった。
実際のできごとや実在の人物を連想させる場面が多く、リアリティーがあって飽きさせない。(河出書房新社・1700円+税)
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2019年5月26日 掲載
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