260万点の研究標本を収める京都大学総合博物館収蔵室を巡り、動植物、鉱物など自然史にかかわる標本の魅力に迫る。
表情も気になるカモノハシなどの剥製(はくせい)、魚類では基本の液浸標本、ネズミなど皮だけ残ったフラットスキン…。さまざまな標本や、その製作過程、かかわる人のエピソードも興味深い。
平成25年刊の本をレイアウトも組み直し、文庫化。新たに収録した小説家、小川洋子氏の解説では数々の標本から紡ぐ“物語”も。生命について改めて考えさせてくれる一冊。(村松美賀子、伊藤存著、青幻舎・1500円+税)
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2019年5月26日 掲載
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