1970年代、フィンランドにひかれ、約3年間留学した著者の体験エッセー。81年の刊行以来、出版社を変えて今回で4度目の出版というロングセラーだ。
「どうしても猫の言葉に聞こえる」フィンランド語の文法や音声学などのネタも多いが、「想像力が豊か(ひどい勘違いをする)」という著者の体験、文章力で面白く読ませる。サウナをはじめ文化や風俗、ユニークな仲間たちのエピソードにも引き込まれる。
最初の版からの読者という解説者は「外国語を学ぶ過程は冒険にも等しく、人をワクワクさせる」と本書の魅力を評している。(稲垣美晴著、角川文庫・680円+税)
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2019年6月9日 掲載
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