『動乱の刑事』
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『動乱の刑事』堂場瞬一著
[レビュアー] 産経新聞社
昭和27年、東京都内で駐在所が爆破されるところから物語は始まる。駐在巡査に加え、近所の印刷会社で組合活動を活発化させていた男が犠牲に。警視庁捜査1課の刑事、高峰は共産党過激派の関与を疑い、親友で公安1課の海老沢と共同戦線を張ろうとするが…。
戦時下でもみ消された連続殺人事件を高峰と海老沢が終戦をまたいで解決した前作『焦土の刑事』に続く本作では、刑事と公安の対立を軸にそれぞれの組織の論理が2人に影を落とす。「怪物が住む世界」と海老沢は公安を表現。戦後復興と歩を合わせて成長した「組織としての警察」を活写する。(講談社・1700円+税)