『さようならまでの3分間』
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【気になる!】文庫 『さようならまでの3分間』
[レビュアー] 産経新聞社
人は亡くなった後、この世との決別ができた人だけが、あの世への「ゲート」を通過できる。未練がある人は、それを断ち切るためにやり直したい過去へ3分間だけ戻れるという物語。
不慮の死を受け入れられない若手サラリーマン、老婦人、ボクサーが、与えられた3分間で後悔の清算に臨む。そして、そのサポートをする「交通整理人」F自身も16歳で亡くなり、未練を抱えたままゲートを通過できずにいた。そんなFの前に思わぬ人が現れる。
設定にまずウルウルし、物語、さらにわが身に思いをはせて、また胸に迫る。心がやさしくなれる一冊。(桜井美奈著、メゾン文庫・620円+税)