集落を埋め尽くした大量の流木、赤茶色の山肌をむき出しにした土砂崩れの現場。2年前の九州豪雨の写真を見ると、被害の拡大に恐ろしさを覚えた当時の記憶がよみがえる。福岡県朝倉市を中心に犠牲者は40人に上り、家屋の全壊は300件を超えた。朝倉市では今も80世帯余りが住宅再建のめどさえ立たないまま仮設住宅に暮らす。集中豪雨が北部九州を襲った7月5日から17日間で何が起きたのか、写真や記事で克明にたどった1冊。記憶を風化させないためにも、毎年梅雨時に読み返したい。1000円。出版部=092(711)5523。

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2019年7月6日 掲載
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