掃除道入門…松本紹圭著

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掃除道入門…松本紹圭著

[レビュアー] 通崎睦美(木琴奏者)

 浄土真宗の僧侶が説く、心を磨く修業としての掃除道。4名の僧侶が掃除の在り方を語る「名僧に掃除道を訊(たず)ねる」の章が興味深い。

 三千院の堀澤祖門門主は「掃除になりきる」と言う。ほうきならほうき、草引きなら草引きになりきる。一体化することで「極める」心境に達する。円覚寺の横田南嶺老師の話も趣がある。「自分はこんなにやっているんだ」と思い込んで苦行になってしまってはいけない、と説く。そんな態度では、他者が寄りつかなくなってしまう。また、法然院の梶田真章貫主は、<掃除は人間には集中できるときと集中できないときと両方あるんだということを教えてくれるものかもしれません>と話す。

 著者は、基本的な取り組み姿勢として<ゆっくりと、丁寧に、隅々まで意識を行き渡らせてする>ことを挙げる。

 この本は、仏道における掃除実践の意味を教えてくれると共に、読者それぞれの「道」を極める手引きにもなるだろう。私は毎日、木琴で単純に思える音階を繰り返し練習している。これも、掃除道に通じる実践のような気がしてきた。(ディスカヴァー・トゥエンティワン、1400円)

 ※『掃除道入門』は、タイトルが『こころを磨くSOJIの習慣』に変わり、7月17日発売予定です。

読売新聞
2019年7月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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