並木誠士、上田文、青木美保子著「アフリカンプリント」

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アフリカンプリント

『アフリカンプリント』

著者
並木誠士 [著]/上田文 [著]/青木美保子 [著]/京都工芸繊維大学 美術工芸資料館 [監修]
出版社
青幻舎
ISBN
9784861527296
発売日
2019/05/30
価格
2,750円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

並木誠士、上田文、青木美保子著「アフリカンプリント」

[レビュアー] 通崎睦美(木琴奏者)

 アフリカンプリントとは、もともとヨーロッパ各国がアフリカ市場を意識して製作した綿布を指す。

 風呂敷縫製を生業とする京都の家に育った私は、布に対して少なからず関心をもっているが、1950~60年代の京都でアフリカ輸出用の生地が作られていたとは、初耳だった。

 2008年、京都の大同マルタ染工株式会社が閉鎖された際、多くの資料が廃棄されたが、ある一群の段ボールが助け出された。本書では、そこに見つかった同社製作アフリカンプリントの断片、資料としての現地収集品、1957~73年の「生産技術部研究ノート」などが紹介される=写真=。図版はもとより、プリント技法の解説、植民地支配と布の関係、第2次世界大戦後、GHQ復興推進策により輸出を伸ばした話など、歴史背景も興味深い。

 今人気のアフリカンプリントを扱うショップ案内も嬉(うれ)しい限り。(青幻舎、2500円)

読売新聞
2019年7月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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