歩くパワースポット、湘南乃風 SHOCK EYEさんの強運の秘密【スペシャルインタビュー】

インタビュー

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歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている小さな習慣

『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている小さな習慣』

著者
湘南乃風 SHOCK EYE [著]
出版社
講談社
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784065156230
発売日
2019/04/05
価格
1,320円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

歩くパワースポット、湘南乃風 SHOCK EYEさんの強運の秘密【スペシャルインタビュー】

[文] 講談社

次の世代に神社の魅力を伝えていくことの意味

SHOCK EYE お守りという存在も、変な話、ただの物かもしれないし、ただの紙かもしれないんですよ。そこに神様が宿っていると思うかどうかは、自分次第だから。でも、せっかくもらったお守りを粗末に扱っていて嫌な気持ちなら、そのノイズは取らなきゃいけないし、興味がなくてずーっと10年くらい引き出しに入ったままで埃をかぶっていても、本人がそれに対して何も感じていなかったら、別に何も起きないだろうし。でもせっかく自分が何か拠り所としてその思いを形にして、自分が思い出すことでポジティブスイッチになるものを持てたのなら、「それをスイッチにしたほうがいいんじゃない?」ということなんです。

榎本 本にも書かれていましたが、お守りに対する考え方も形式にとらわれていなくて、とてもいいなぁと思います。

SHOCK EYE もちろん、その場所を大切にしている方々がいるので、その方々が不快に思うようなことは絶対にしないようにしています。でも、自分でルールを持つのは良いのではないかと。よく「お守りは1つにしないと神様がケンカする」なんて言うけど、「1個だけ持てば一番運気が上がる!」なんていう時点で、なんだかすごく欲張っている気がするんですよね。そのお守り1個がどうこうじゃなくて、神社に行って手を合わせて、感謝をして。帰りになんとなく可愛いなと思ったお守りを買って、「いいのをゲットしたな!」と幸せに感じるまでの全部の流れ、すべての行為が、その人の心の安寧を生み出すわけで。そのどこのポイントで幸せになれるのかなんて、僕にもわかりません。もしかしたら、神木に手を当てた瞬間に運をもらっているのかもしれないし、手を合わせたときなのかもしれないし、お守りをいただいたときなのかもしれないけど、その正解を探すことに時間を割くのではなくて、とりあえずひと通り全部やってみればいいじゃないかと。そこで、「ああ、気持ちいい1日だったな」とか、素敵な気持ちになった自分に気づければ。そこなんですよ。それが面白くて僕は神社に行くんです。

榎本 本当にいろいろな神社へ行かれていますよね。

SHOCK EYE ライブで行った会場に近い神社とか、感覚的に行ってみたいなと思ったところとか、あまり大きい小さいは関係ないですね。なんとなくそのときに行ってみたいと思った神社に足を運びます。大きいところも大きいなりの素晴らしさがあるけど、人づき合いと一緒で。総理大臣に会うのも、道端で同級生に会うのも、変わらない感覚で会えたらいいじゃないですか。それと同じようなものです。

榎本 この本からはそうした神社めぐりの心地良さも伝わってくるので、「私も神社に行くようになりました!」というレビューもすごく多いんですよね。

SHOCK EYE 僕をきっかけに興味を持って、神社が好きになって、少しだけ心に余裕ができたり、心が整ったりする人が増えているのなら、うれしいですね。神社とかお寺って言うと、ちょっと古臭いとか堅苦しいイメージを持たれたりもするんですけど。これって、日本の大切な文化を守っていくことにつながるんじゃないかと僕は思っているんです。若い世代に少しでもこういう日本の習慣や文化に興味を持ってもらえたら、これからどんどん外国の人たちが大きな資本で日本の都市を買い占めていったときにも……。たとえばGoogleの人が、「この神社は素敵だからGoogleシティをつくるときには残そう」と思ったら、日本の未来の景色も違ってきますよね(笑)。それは、今の僕らにかかっているんです。

榎本 なるほど、確かにそうですね。

SHOCK EYE すごく大きな話ですけど、出雲大社って250年前くらいの本殿の柱が立っていて、60年に一度の改修で遷宮をしているんですね。いつかは取り換えなきゃいけないんだけど、そのときには樹齢600年から1000年のヒノキの木を使う必要があって。その木を山で育てている人たちがいるんです。苗木を今植えるのは、600年後、1000年後のため。そんな遠い日本の未来のために仕事をしている人たちがいて。そこまではとても及ばないけど、この本を出して僕が発信していくことが、日本の美しい風景や習慣を少しでも残すことにつながるかもしれないなら、頑張ってみようかなと。これからこういう活動はずっとやっていきたいなと思っています。

内容はもちろん、表紙も新しい挑戦だった


『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている小さな習慣』表紙

榎本 本には各地の神社やお守りなどの写真も載せましたが、その許可を取るのにいろいろな神社に電話をかけたんです。そうしたら、宮司さんも「SHOCK EYEさんのことはインスタグラムで存じ上げております」という方がいらっしゃって驚きました(笑)。広がっていますね。これまでもSHOCK EYEさんは小説を書かれたりラジオ番組をされたり、いろいろなアウトプットをされてきて、この本がその集大成になったのではないかと思っています。

SHOCK EYE そうかもしれませんね。湘南乃風もこれまで20代や30代では若者の代弁者としてやってきたけど、僕たちも40歳を過ぎて、これからの世代にどういうものを残していくべきかというところに一つステージを変えていかなきゃいけないと思っているんです。音楽性を変えるとかいうことじゃなく、テーマとしてね。それは僕自身、この本を出したことでなお一層感じていることで、身が引き締まる思いもあります。

榎本 今回は本の表紙写真なども、湘南乃風のSHOCK EYEさんとしてはすごく意外なものになりました。これもSHOCK EYEさんからのご提案でしたよね。

SHOCK EYE そうですね。これまで表に出る僕の写真はニコッとしたものが少なかったんですけど、それは笑っている自分の顔があまり好きじゃなかったからなんです。自信がないというか、嫌だったんですね。これまでにもいろんな写真を撮ってもらう中で、僕が笑っている写真がチョイスされることもあったんですけど、自分でNGを出しちゃっていました。でも、今回の本はアーティストっぽい写真じゃないのがいいねっていうのが、みんなとの話し合いでもあって。そんな時、たまたまうちの妻が、ちょっと隠し撮りみたいな、すごく笑っている僕の写真を、ポンってLINEで送ってきたんですよね。「この写真すごくいいよ」って。普段、あまりそんなこと言わないんですけど、珍しくそんなメッセージが付いていて。昔の自分だったら恥ずかしくてちょっと見せられないような写真だったんですけど、それをみんなに見てもらったんです。「こんな写真はどうかな」と。

榎本 それを見て、みんなも「これいいね!」となったんですよね。

SHOCK EYE 「笑う門には福来る」じゃないけど、やっぱり笑った顔にしようとなってね。そのイメージで表紙撮影をして。

榎本 本が届いたとき、奥様にも気に入っていただけたんですよね?

SHOCK EYE そうそう。妻からの写真をアイデアにしたとは伝えてなかったですけど。友だちに「いいでしょ、かわいいでしょ?」って言っていたみたいです。よかったぁーと(笑)。

榎本 ふふ。仲いいですよね(笑)。でも、そんな表紙写真も含めて、今回は本当にSHOCK EYEさんにとっても新しい挑戦でしたね。

SHOCK EYE 人も、水みたいに流れていると腐らないけど、とどまろうとするとダメになっちゃうところがあると思うんです。もちろん、動き出すことには恐怖がつきまとうし、不安もありますけど、このタイミングで新しい挑戦ができたのは、ありがたいことです。これをいいものとしていけるかどうかは、自分次第。がんばって応えていきたいと思います!

 ***

SHOCK EYE(ショックアイ)
1976年神奈川県生まれ。REDRICE、若旦那、HANKUNとともに「湘南乃風」を結成。2003年、アルバム『湘南乃風~REAL RIDERS~』でデビュー。これまでに19枚のシングルと7作のアルバム、ベスト盤2タイトルをリリース。2011年にはポルノグラフィティの新藤晴一、サウンド・クリエーターの篤志とTHE 野党を結成。また、近年は℃-uteやジャニーズWEST、YouTuberのフィッシャーズなど幅広いジャンルのアーティストに楽曲提供を行う。

講談社
2019年8月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

講談社

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