<東北の本棚>副収入のメニュー網羅
[レビュアー] 河北新報
年金の先行きの不透明さが増す中で、老後資金の蓄え方に注目が集まっている。不労所得とは資産運用による収入を指すことが多いが、本書はサラリーマンでも挑戦できそうな「プチ不労所得」のメニューを示し、賃金の伸びが期待できない時代に少しでも豊かに生きるための副収入を考える。
本書は序章、1~3章で構成されている。1章では動画サイトへの投稿、フリーマーケットアプリへの出品など現代的な副収入が一筋縄ではいかないことを示す。例えばブロガーの場合、一定の広告収入を得るためには記事の頻繁な更新の必要性を指摘する。
2章では、株式や不動産など投資の基本をおさらいする。3章では「“億り人”の発想、“サラリーマン”の稼ぎ方」と題して、資産家の不労所得を解説。お金持ちの生活から副収入を学ぶ。
結論でサラリーマンに勧める手法はオーソドックスだが、そこまでに至る過程が本書の読みどころ。多様化する副収入を網羅しそれぞれの労力やリスクを分析しており、読者が新たな収入源を見つけるヒントになるかもしれない。
著者は仙台市生まれ、東北大工学部卒。日経BP社記者、投資ファンド運用会社などを経て独立し、現在は執筆活動で活躍中。
イースト・プレス03(5213)4700=1620円。