小倉ヒラク著 「日本発酵紀行」

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日本発酵紀行

『日本発酵紀行』

著者
小倉ヒラク [著]
出版社
D&DEPARTMENTPROJECT
ISBN
9784903097633
発売日
2019/05/24
価格
1,980円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

小倉ヒラク著 「日本発酵紀行」

[レビュアー] 三中信宏(進化生物学者)

 東西南北に延びる日本列島のさまざまな自然環境が食生活や食文化にも反映される。発酵食品といえば、味噌(みそ)・醤油(しょうゆ)・酢、漬物や納豆や魚醤(ぎょしょう)、酒まで含めれば数えきれない。この多様性こそ発酵食品が人間の食生活に広く深く根付いている証左だ。

 本書は「発酵デザイナー」を名乗る著者が、日本全国津々浦々を旅しながら、伝統ある発酵食品とそのつくり手を訪ね歩いた紀行本だ。

 「かんずり」=写真=は塩漬けの真っ赤な唐辛子を雪の上でさらしてから何年も発酵させる。発酵と腐敗は紙一重。ここにいたるまでにどれほどの試行錯誤が繰り返されたのだろうか。

 生き生きとした文体とともに味わいたいのがカラー写真の数々だ。たちのぼる匂いやしあがりの味わいまで読者に伝わってくる。とてもおいしい本である。(D&DEPARTMENT PROJECT、1800円)

読売新聞
2019年8月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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