脳OSのネガティブ指令を黙らせる。メタ認知のための「5秒ルール」

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5秒ルール

『5秒ルール』

著者
メル・ロビンズ [著]/福井久美子 [訳]
出版社
東洋館出版社
ISBN
9784491036915
発売日
2019/07/26
価格
1,650円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

脳OSのネガティブ指令を黙らせる。メタ認知のための「5秒ルール」

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

5秒ルール ― 直感的に行動するためのシンプルな法則』(メル・ロビンズ 著、福井久美子 訳、東洋館出版社)の著者は、CNNコメンテーター、テレビ司会者、作家、講演家。

2011年にTEDxで行なったプレゼン「自分をだますのを止める方法」が話題となってプロの講演家としてのキャリアをスタートさせ、いまや全米規模の人気を誇っているのだそうです。

本書のテーマである5秒ルールとは、生まれ持った力である「勇気」を活用するための法則。

「5、4、3、2、1」とカウントダウンすることによって自分の内部の恐怖心から意識をそらし、勇気と自信の声に従って行動するためのメソッドだといいます。

とはいえ、そう聞いただけでは効果を実感できないかもしれません。

そこで、Q&A形式で疑問に答えている第1部「5秒ルールとは」内の第4章「5秒ルールはなぜ効果があるのか」に注目してみることにしましょう。

5秒ルールについて、著者がよく聞かれる質問とその回答が紹介されているパートです。

Q. 5秒ルールとはなんですか?

著者によれば、5秒ルールとはシンプルなメタ認知ツール

人の行動パターンをすぐに変えることができ、その効果が長続きすることが研究でも裏づけられているのだといいます。

ちなみにメタ認知とは、目標を達成するために脳を黙らせることができる技術だそう。(59ページより)

Q. 5秒ルールはどう使うの?

目標を達成したいとき、責任を全うしたいとき、やらなければと思いながらも腰を上げられないときなどには、5秒ルールを使うことを著者は勧めています。

まず、心のなかで「5、4、3、2、1」とカウントダウンします。数えるうちに、目標ややるべきことに集中できるようになり、心のなかにある不安や雑念や恐怖心が気にならなくなります。

そして「1」になったら、すぐに動く。それだけです。

至ってシンプルですが、念のためもう一度言います。やらなければならないことがあるのに、自信がないとき、不安なとき、萎縮してしまうときは、「5、4、3、2、1」とカウントダウンして、自分の主導権を握りましょう。

数えるうちに心が落ち着きます。そして「1」になったら、動くのです。(60ページより)

数えることも動くことも行動です。そして大切なのは、普段であれば考え込んで自分を止めてしまう場面で、行動するように自分に教えること。

そうすれば、めざましい変化が起きるというのです。

なぜなら、カウントダウンする間に、重要なことがいくつも起きるから。

具体的には、不安が収まり、やるべきことに集中し、行動しなければと思うようになり、ためらったり、考えすぎたり、自分を制止してしまったりする悪い癖が起こらなくなるわけです。

ちなみに1から数えるのではなく、「5、4、3、2、1」とカウントダウンすることにも意味があるようです。

1から5まで普通に数えようとすると、つい「6……」と続けたくなるため、行動できなくなってしまうというのです。

でも「5、4、3、2、1」とカウントダウンしたのなら、「1」のあとに行き場がなくなるため、行動しようという気になるということ。(60ページより)

Q. 5秒ルールはどんな目的に使えますか?

著者のもとには、5秒ルールを使って人生、人間関係、幸福度、仕事を改善させたという体験談が何千人もの人々から届いたのだそいうです。

それらの話から判明したのは、5秒ルールは次の3つの目的に役立つということ。

● 行動パターンを変えたいとき

5秒ルールを使えば、新しい習慣を身につけることも、破滅的な悪癖をやめることも可能

そればかりか自分を客観視してセルフコントロールできるとうになるため、自分自身や他者との関係でより効果的に意思疎通をはかれるようになるのだそうです。

● 日々の活動で、ちょっと勇気が必要なとき

新しいこと、不安を覚えること、不確かなことをやるときは、5秒ルールを使って勇気を出すべき。

5秒ルールの力を借りれば、「私にできるだろうか」という不安の声を静めることが可能

そして、だんだん力がわいてきて、やりたいことを行動に移したり、職場で自分の意見を述べたり、重要なプロジェクトに名乗り出たり、創造性を発揮したり、よりよいリーダーになったりすることもできるようになるというのです。

● 心をコントロールしたいとき

ネガティブな思いや不安が心にのしかかるときは、それらを5秒ルールで払拭できるそうです。心配癖を治すことも、恐怖心に打ち勝つことも可能

そして心をコントロールできれば、ネガティブなことばかりに目を向けるのをやめ、ポジティブに考えられるようになるということ。

(66ページより)

Q. 5秒ルールを使えば、行動パターンを変えられますか?

たとえ脳のOSが自分のことを制止しようとしても、5秒ルールはその指令を黙らせることができるそうです。

ほとんどの人は気づかないものの、不安や自信喪失や恐怖心などの思考パターンに陥るのは、習慣がそうさせるから

いわば、無意識のうちにその思考パターンを繰り返しているだけだということです。

でも、習慣が幸せを妨害するのであれば、5秒ルールを活用して、次のような悪い習慣はやめるべきだと著者は主張しています。

・ただ待つこと ・疑心暗鬼になること ・尻込みすること ・なにも言わずに黙っていること ・自信が持てないこと ・避けること ・心配すること ・考えすぎること

(71ページより)

習慣には、簡単な黄金のルールがあるそうです。

それは、新しい行動パターンを繰り返して習慣化させること。そして著者は、「5、4、3、2、1、ゴー!」と自分の背中を押すことを、新しい行動パターンにしてほしいとも記しています。

このカウントダウンは、「ルーティン(開始の儀式)」のようなもの。

ルーティンをすることで、いつもの悪い行動パターンが阻止され、ポジティブな新しい行動パターンを身につけやすくなるというのです。

いわばそれは、新しい行動パターンを自分に教え込むということ。

以前のように心配したり、ためらったり、怯えたりしなくなり、反射的に堂々と行動できるようになれるわけです。

これを繰り返すうちに、やがて自分のなかに本物の自信とプライドが芽生えていることに気づくでしょう。

目標の達成に向けて努力し、価値ある小さな勝利を積み重ねていけば、本物の自信とプライドが身につくでしょう。

習慣やマインドセットや性格は変えられないと思っていませんか? 実はどれも変えられるのです。(72ページより)

これまでの精神状態や習慣も、わずか5秒の決断で変えられるということ。

そして、そうした小さな決断を積み重ねていくうちに、性格、感情、生き方も大きく変わるわけです。(71ページより)

以後の章では、5秒ルールのさまざまな活用法がわかりやすく解説されています。

勇気を勝ち取り、直感的に行動するために、参考にしてみてはいかがでしょうか?

Photo: 印南敦史

Source: 東洋館出版社

メディアジーン lifehacker
2019年9月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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