双極性障害【第2版】 加藤忠史著

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双極性障害[第2版]

『双極性障害[第2版]』

著者
加藤 忠史 [著]
出版社
筑摩書房
ジャンル
自然科学/医学・歯学・薬学
ISBN
9784480072283
発売日
2019/06/05
価格
946円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

双極性障害【第2版】 加藤忠史著

[レビュアー] 坂井豊貴(経済学者・慶応大教授)

 数年前、複数の知人が双極性障害だと診断されたことがあった。そのとき私が手に取ったのが本書の第1版。情報がないなか、随分と理解を助けてもらった。それから時を経て医学の進歩をアップデートしたのがこの第2版だ。

 うつ病の本と比べて、双極性障害の本はごく少ない。体験談も、躁(そう)に関するものはまず見かけない。正しい情報がないと、病気への偏見や、過度な心配に囚(とら)われやすい。日本人がうつ病に罹(かか)る割合は7%ほど、双極性障害は1%弱だという。本当は双極性障害なのに、最初はうつ病と診断されることも多い。本人や周囲の人間がそれに気付くためにも知識は大切だ。

 本書に新たに加わった「Q&A」は、とくに重要な知識を手短に教えてくれる。たとえばこの病気がゲノムを基盤として発症すること。カウンセリングでは治らず、投薬が必要なこと。そして適切な治療により、改善や寛解は可能なこと等である。

 第1版では若手の俊才との印象を与えた著者の近影は、10年を経た第2版では円熟の風格に。もちろん内容にもそれが十二分に現れている。(ちくま新書、860円)

読売新聞
2019年9月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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